花江夏樹×小野賢章:「アルドノア・ゼロ」インタビュー 新作への思い 色あせない魅力 10年の変化

配信日:2025/03/20 7:01

「アルドノア・ゼロ 」に出演する花江夏樹さん(左)と小野賢章さん
「アルドノア・ゼロ 」に出演する花江夏樹さん(左)と小野賢章さん

 アニメ「アルドノア・ゼロ」のブルーレイディスク(BD)ボックス「アルドノア・ゼロ Blu-ray Disc BOX」が3月26日に発売される。あおきえいさんが監督を務め、虚淵玄(うろぶち・げん)さんがストーリー原案を担当したオリジナルロボットアニメで、第1クールが2014年7~9月、第2クールが2015年1~3月に放送された。BDボックスは、テレビアニメ全24話に加え、新作アニメ「EP24.5:雨の断章 -The Penultimate Truth-」が収録される。新作アニメは、テレビアニメの放送終了後のイベントで披露された朗読劇をアニメ化。地球と火星の戦争終結から約9カ月後、界塚伊奈帆が収容施設のスレイン・トロイヤードと再び対面することになる。テレビアニメ総集編に新作アニメを加えた「アルドノア・ゼロ(Re+)」が2月28日から期間限定で劇場上映されたことも話題になった。伊奈帆役の花江夏樹さん、スレイン役の小野賢章さんに約10年前を振り返ってもらいつつ、新作への思いを聞いた。

 ◇10年前の自分がちょっと羨ましい

 ーー新作が制作されることになって感じたことは?

 花江さん 一度、イベントの朗読劇でやったお話ですが、10年越しに新しい映像が作られることはなかなかないので、すごくびっくりしました。アフレコは久々だったので、ちゃんとできるかな?という気持ちもありました。

 小野さん まず、遠い記憶を呼び起こすところから始まりました。でもテレビアニメが終わってから、TROYCAさんの別の作品の現場で「新作ができたらいいね」という話をよくしていましたし、うれしかったです。台本を読んで、見覚えがあるな、と思ったんです。途中で、朗読劇のお話だ!と思い出しまして(笑)。イベントは、アニメ放送が終わった直後のタイミングでしたしね。

 ーー総集編を見て思い出したことは?

 小野さん 今見てもものすごいクオリティーだなと感じました。10年たっても全然色あせない。自分に関してはすごく若いなと感じましたね。声質もそうですが、お芝居の感じとか。

 花江さん 新鮮な気持ちで見返したけど、すごく覚えていました。あの当時は一生懸命でしたね。今も一生懸命なんですけど、当時は、 食らいついていくような感じだった。でも、伊奈帆は冷静で頭がいいので、そのギャップを埋められるように頑張っていたことを思い返しました。当時の自分にしか出せない良さみたいなものがあって、懐かしく見ていました。ちょっと羨ましいところもあるんです。あの感じは、今ほしくても狙って出せないから。

 小野さん 僕も見返して、頑張っているなあって思いましたね(笑)。毎回、ベストを尽くしているけど、なかなか自分に納得しない性格だから、自分でいいなとは思わないんですけど、当時のベストだと思うし、自分が思っていた以上に、頑張っていました。

 ーーテレビシリーズの収録で印象に残っていることは?

 小野さん 天ちゃん(アセイラム・ヴァース・アリューシア役の雨宮天さん)が、もやしのナムルを作って、お弁当箱に入れて持ってきてくれたことがあって。箸がなくて、スタジオにあったコーヒーを混ぜるマドラーを箸代わりにして食べたんです。

 花江さん おいしかったですよね。

 小野さん あとは、オリジナル作品ですし、毎回どんな展開になるのかとドキドキしながら台本を読んでいました。第1クールの最後で、スレインが伊奈帆を撃って終わるじゃないですか。これからしばらく続きが見られないの?と思ったことも覚えています。

 ◇新作でしっかり一区切りできた

 ーー約10年ぶりに演じる中で意識したことは?

 花江さん 10年の間にいろいろ経験してきましたし、この作品のことを好きと言っていただける機会も多く、自分も思い入れがあったので、伊奈帆を演じる際に優しい気持ちになってしまったんです。最初のカームとしゃべっているシーンは、僕がカームのことも好きだから、お芝居も優しくなってしまって。ディレクションで「優しいですね」と言われ、微調整していきました。なかなか難しかったです。

 小野さん 僕はあまり苦労しなかった印象があります。スレインはフラットな状態ではなく、落ちきっているところから始まりますが伊奈帆はフラットな状態だから、そちらの方が難しかったのかなと思います。スレインは伊奈帆に対して少しだけ心を開いていく姿が描かれているので、スタートの時点をしっかり作っておけば、あとは流れでできるかな?という感覚で臨みました。あとは事前に10年前がどういう発声をしていたかは、しっかり見ていきました。2人で一緒に録れたのもよかったです。10年前と(花江さんとの)関係性が違うんですよ。この10年で仲良くなっているけど、アニメの共演は久々だったんです。2人で掛け合うのも結構久々だったから、ちょっと恥ずかしくて。

 花江さん そうなんだ(笑)。

 小野さん しっかり芝居してるな!って(笑)。

 花江さん 久しぶりだから楽しいなと思いながらやっていたけど、恥ずかしさはなかったかな。

 小野さん そこは性格の違いです(笑)。

 -ー新作を演じ終えて感じていることは?

 小野さん ずっと続きをやりたいと思っていたので、ここでしっかり一区切りできた感覚がありました。ちゃんと終わったなと腑に落ちたところもあって。スレインに希望、光が少し差し込むような終わり方をしているので、ここから不幸になってほしくないと思っています。

 花江さん 伊奈帆は彼なりの気遣いがあるけど、淡々としゃべっているので、相手からするとちょっと馬鹿にされたような気になるのは分かります。彼なりの優しさのある言葉もたくさんあるんですけどね。最後にユキ姉と「海に行きたい」と話をしたり、伊奈帆の大人になりきっていない部分も見られたし、彼も彼でこれから先に進んでいくんだという終わり方だったので、賢章さんが言っていたように、一区切りついたのかなと感じました。

 小野さん 韻子が出てくるのもうれしかったですね。ほかのキャラクターのその後も少し描かれていて、放送当時から応援してくれていた方に喜んでいただけると思います。

 花江さん エデルリッゾを久しぶりに見られたのもうれしかったです。あと、哲学はそれぞれに答えがあるというところが面白そうですね。

 ◇気が付いたらよく一緒にいるように

 ーーこの約10年でお互い変化したと感じるところは?

 小野さん 「アルドノア・ゼロ」の時がほぼ初対面くらいでした。気が付いたらよく一緒にいるようになったよね。(花江さんは)スタンスは変わってないかな。作品への向き合い方は変わらない印象があります。

 花江さん お芝居をしてない時間の交流が多いから、たまに一緒にお仕事をすると、ちゃんとしてる人なんだ……と思ったり(笑)。

 小野さん お互いにそう思っているんじゃないかな。

 花江さん 賢章さんは、自分の良さ、強さを分かっていて、それを武器にしているところが格好いい。でも、変わらないと思います。

 小野さん あんまり分からないんだよね。家族の変化って分かりづらいじゃないですか。久々に会う人の変化は分かりやすいんだけど、僕らは交流がありすぎで、変化に気付きづらい。10年で変わったこととしては、サウナに行くようになったとか。サウナは一時、週2、3回は一緒に行っていたよね。

 花江さん 二郎(ラーメン二郎)デビューしたり。

 小野さん そうそう。ちゃんと好きになってくれて。

 ーー普段は芝居の話をしない?

 花江さん 熱い芝居論みたいなことを毎回話していると疲れてしまいますし。そういう感じじゃないところがいいなと思っています。

 小野さん お芝居に正解はないと思っていますし、それぞれがいいと思うものがあって、こうじゃなきゃ!って感じじゃないから。2人ともオン、オフがはっきりしているよね。

提供元:MANTANWEB

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