さりげなく好意を伝えるセリフ…恋愛漫画の名告白シーン
更新日:2016/07/15 10:00
“月が綺麗ですね”という言葉が遠回しな愛の告白の表現として使われているのはご存知ですか?
夏目漱石が英語教師をしていたとき、“I love you”を“我 君を愛す”と訳した生徒に対して、“月が綺麗ですね”と訳すように言った、という逸話からきています。知らない人からしたら「?」だし、知っていたとしてもさりげなさすぎて、気持ちがあまり伝わらないような…。
そこで! それを確かめるべく、“好き”や“愛してる”という直接的なものではなく、“月が綺麗ですね”のようなさりげない告白シーンがある漫画を抜粋。恋愛ものはほとんど読んだことのないアラフォー男でも純粋に胸キュンできた、好意を伝える名セリフや名場面を紹介させていただきます。
ドS度98%男子が放ったさりげない告白にキュン死!
天狗と人間のハーフである刑部秋姫が主人公の青春ファンタジー漫画「町でうわさの天狗の子」 (岩本ナオ/小学館) 。
タイトルから類推すると天狗になって悪者をやっつける、というストーリーをイメージしそうなものですが、そのほとんどが女子高生の揺れる恋心をメインに描いた作品です。
その中から紹介するのは、天狗になるために修行中の幼なじみ・榎本瞬が秋姫に対して「お前は心配しなくていい お前の心配は俺がする」と、抱き寄せながら言うセリフ。
もう女子の心を鷲掴みです!
秋姫が瞬に対する自身の思いに気づき始めたくらいの時点で、急激に動きだした二人の恋愛模様。ストーリー展開にドキドキワクワクして、読み進めるスピードも思わずアップしてしまいます。
ドMなアラフォー男子ではなかなか言えないセリフに、僭越ながらドキッとさせられました(笑)。
男子に守られたい女子をK.O.する告白文句に涙!
「砂時計」 (芦原妃名子/小学館) は、ヒロイン・植草杏が12歳の時、両親の離婚をキッカケに母親・美和子の実家である島根に引っ越すことから始まる純愛物語です。
田舎町に慣れずにいた杏でしたが、北村大悟たちとの出会いにより自分の居場所を見つけることができた矢先、突然の母の死に直面します。
辛い経験をしてふさぎ込んでいた杏に対して大悟が「ずっと一緒におっちゃるけん」と優しく包み込んだ一言に、思わず熱いものが込み上げて…うっ(涙)。
12歳ながら精神的な支えになってあげたいという思いが込められたセリフは、ピュアだからこそ出たさりげないプロポーズという印象でした。
何話か読めばわかりますが、この作品はスピード感のある展開で読んでいて飽きがきません。少女漫画好きはもちろん、少女漫画を読んだことないという男子でも、イッキ読み必至です。
さりげない告白!? 自分の好意を伝えるときに使えるテクニック
“恋の定義”を模索する年の差恋愛を題材にした「長閑の庭」 (アキヤマ香/講談社) 。
物語はヒロイン・朝比奈元子(23歳)が、大学院のドイツ文学教授・榊郁夫(64歳)へ告白、それが“恋”なのかどうかに迫っていくもの。
ある日元子は、榊から“好意”と“その分類”について課題を出されます。そのことを榊の助手・田中に伝えたところ、“デート”という名の課外授業がスタート。
強引に元子と手を繋いだ田中は「手 繋いでドキドキした?」「皮膚と皮膚が触れ合ってドキドキしたらそれって“恋”の始まりかもよ?」と迫ります。
このシーンの時点では田中の本心はわかりませんが、さりげない告白とも思えるような…。
気になる人に言われたらまず勘違いしてしまいそうなセリフですよね。よく聞く、女性が好意を寄せる男性にボディタッチする、という恋愛テクニックを言葉で表したような、相手にドキドキを与えつつ自分の気持ちを伝えることができ、ちょっと茶目っ気もあるので実践的だなと思いました。
スイーツのような甘~い言葉で遠まわしな表現
イケメン兄弟が働くチョコレート専門店を訪れる客のエピソードを描いた1話完結型オムニバスストーリー「クーベルチュール」 (末次由紀/講談社) のイチゴ味の回より。
このお話は子供の頃から厳しい家訓に縛られ、虫歯の原因になる甘い食べ物全般を目の敵にする歯科医・塩谷剛と、甘党のスイーツライター・甘利苺の恋の物語。
なんだかんだあって塩谷が甘利に「おれと一緒に食べてください苺のミルフィユ おれが毎日でも 歯磨きしますから」と遠回しな告白をします。
先生と患者という関係、真逆の職業や価値観だからこそ響いてくるセリフです。
このロマンチックで甘~い言い回しに女子はキュンッ! とさせられるのでは? 短編漫画ですが、すべての物語がしっかりとしたストーリーで、作者の腕が光るお話ばかり。一読の価値ありです!
未来と過去の話がもたらすストーリーの告白に胸アツ
映画化もされ、10代の女子はもちろん、少女漫画を読んだことのない男子が読んでも感動するという「orange」 (高野苺/双葉社) から、仲間たちの友情が後押しをした告白シーン。
文化祭で“仲のいい女友達3人の中で告白するなら誰?” と質問された成瀬翔は、主人公の高宮菜穂だと答えます。この時点でほぼ決まりじゃんと思いますが、菜穂は鈍感な女の子なので嬉しくても本気で言われているとは思っていません。
そこから、翔の誕生日に「俺… 文化祭で女子3人の中で 菜穂に一番告白したいって言ったけど 俺は他に女子がどれだけいても 菜穂だから」「俺の気持ちは 気づいてもいいよ」と告白します。
この説明だけではちょっと「???」となる人も多いかもしれません。この物語はSFの要素が盛り込まれた作品で、色々と書くと面白さや感動が半減してしまうのでこのへんで。
恋愛モノというより友情要素が強いので、少女漫画とはいえ男子でもすんなり入れます。熱い友情が織りなす純粋無垢なストーリーにアラフォー男子の私は涙腺崩壊しました(照)。
「月が綺麗ですね」のような“好き”や“愛してる”が秘められた文学的な言い回し、とまでは行かなかったかもしれませんが、直接的な愛の言葉ではない告白の台詞は、それまでの人間関係やバックグラウンドなどが複雑に絡み合って生み出されていることを感じました。
ただし、漫画の受け売りで告白しようと考えてるあなた! 注意が必要ですよ! 以前、「プラネテス」 (幸村誠/講談社) の名シーンをマネて、しりとりから告白したんですけど、ガッツリ引かれましたから……。
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作者
DEKO3
不動産会社から出版社へ転職。某出版社で営業と編集に携わり、その後35歳という微妙なお年頃で退職。某専門雑誌で培ったノウハウを今後に生かすべく、フリーのライターや何でも屋としての活動を模索中。生粋のミーハー気質なので何にでも手を出す傾向があり、ハマりやすい。今ハマっているものは、スタダアイドルと横ノリ、そしてカメラにも手を出し始めています。記事タグ
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