独占漫画家インタビュー:桜小路かのこ「漫画キャラが思い通りに動いてくれないときもある?」
更新日:2018/04/04 10:00
めちゃコミックで年間ランキング首位を独占した「BLACK BIRD」「青楼オペラ」の作者・桜小路かのこ先生に特別インタビュー! 次々とヒット作を生み出す桜小路かのこ先生ですが、日々、どんなところからストーリーやキャラクター作りの着想を得ているのでしょうか?
連載後に振り返って見つかる、お気に入りのエピソード
――「青楼オペラ」 「BLACK BIRD」 が、それぞれめちゃコミックの少女ジャンル・年間ランキングで1位と2位を獲得しました。ご自身の実感としてはいかがでしょうか?
まさかそんなに読んでいただけているとは思っていなかったので、純粋に驚いています。本当にありがたいことで、読んで下さった方々はもちろん、支えてくださっている皆さんへ感謝の一言に尽きます!
――3月26日には「青楼オペラ」 の最新刊が発売されますが、見どころはどんなところですか?
表紙にも登場している、惣右助と、新たな味方となった真木村が活躍します。ぜひ注目してみてください!
――「BLACK BIRD」 「青楼オペラ」 で、特にお気に入りのエピソードはありますか?
「BLACK BIRD」 は、6巻に収録されている、祥が自分の過去を振り返る回は、当時、私としてはとても思い切って描いたこともあり、思い出深いシーンのひとつです。もともと祥は6巻で出番を終えるはずだったんです。でも当時の担当さんから祥はまだ描くことがあるでしょ、と言われて再登場を果たしました。匡との本当の決着まで描くことになり、大変なこともありましたが、結果的には再登場させてあげられてよかったな、と思えたキャラです。
- 少女漫画 BLACK BIRD
- 4.5 (12789件)
「青楼オペラ」 はどれかな…。葵が死んだ後に惣右助が朱音を厳しい言葉で奮い立たせるシーンですね。惣右助のキャラが良く出たシーンになりました。
小さいころに憧れた漫画家の背中を追っている
――普段はどうやってキャラクターやストーリーを考えることが多いですか?
何かのアイテムや設定に着想を得てストーリーを考えることが多いです。ビジュアルを参考にすることはあっても、特定のモデルがいることはほとんどないですね。でも、自分の考えや価値観が、無意識であれ投影されているのは確かです。とはいえ、ストーリーが進むなかで、私の思い通りにキャラが動いてくれないことも多いので困りものです(笑)
――なぜ漫画家になろうと思ったのですか?
絵を描く仕事ができたらいいな、と漠然と思うようになったのが小学生のころでした。そのときに漫画の存在を知って、無我夢中になって読んでいたことをよく覚えています。
漫画を読み始めたばかりの時期にハマったのは、篠原千絵先生をはじめとする、今でも小学館で活躍されている先生方の少女漫画です。今は自分が漫画家になり、そのお背中を追っているのかな、とふと思うこともあります。
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仕事の癒しは、可愛い猫たち!
――他の漫画家さんと交流はありますか? よろしければ、どんな話をするのか教えてください。
会うことが多いのは芦原妃名子先生や水城せとな先生です。漫画家同士なので、もちろん仕事の話もしますが、そればかりというわけではないです。漫画論なんて交わしたことはないですし。でも、二人とも私より先輩なので、日頃から学ぶことは多いですね。
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――猫を飼われているそうですが、飼い猫の存在も仕事へのモチベーションにつながりますか?
猫は存在そのものが癒しです…! 実家にいる18歳の猫はツンデレなので、その反動か、新しく来た子猫は甘えんぼに育ててしまいました。どちらもたまらなくかわいいです!
桜小路先生の愛猫・まめちゃん
桜小路先生の愛猫・まめちゃん
――今後、挑戦してみたいジャンルやストーリーがあれば教えてください。
「BLACK BIRD」 や「青楼オペラ」 とはまったく違うものも描いてみたいです。挑戦というより、無謀な冒険になるかもしれませんが…。新しいことを恐れず、まだまだたくさんチャレンジしていきたいですね。
- 少女漫画 BLACK BIRD
- 4.5 (12789件)
いつかきっと迎えにいくから―― そうあなたが言ってくれたから 私はずっと待っていた あの...
2匹の愛猫に囲まれ、全身全霊で漫画に向き合っている桜小路かのこ先生。キャラクターが予想外の動きをしだしたり、再登場の予定のないキャラクターが再び登場したりと、ストーリーの行く末については、もしかしたら先生自身も未知数に感じているのかも?「青楼オペラ」の今後の展開も楽しみです!
プロフィール
いつかきっと迎えにいくから―― そうあなたが言ってくれたから 私はずっと待っていた あの...