5.0
見ていて哀しい
自分が同じ状況だったら、主人公と同じ選択をしているかもしれない…と考えてしまった。
自分で自分の人生の最後を自己決定している。
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自分が同じ状況だったら、主人公と同じ選択をしているかもしれない…と考えてしまった。
自分で自分の人生の最後を自己決定している。
実際の「福井火葬場心中事件」を基にした、いい意味で、極めて現代的な漫画。
心が震える傑作である。
認知症、老老介護、児童虐待、という現代社会のヘビーな諸問題を題材にしており、ある意味では悲壮な物語であるけれど、シンプルでポップな絵柄が、絶妙なバランスを生んでいる。
これは、漫画だから出来る素晴らしい表現のひとつだと思う。
興味深かったのは、この漫画で描かれる、日本の古い共同体の姿である。
閉鎖的な限界集落で、八つ墓村的というか、今の時代、こんな共同体に魅力を感じる人間はまずいないし、私自身、否定的なイメージをずっと持っていた。
しかし、主人公の妻が犯した罪を、地域の住民皆が協力して隠し通そうとする姿には、胸が熱くなった。
悪く言えば、そういう隠蔽体質というのは、日本の古い共同体のネガティブな側面そのものなのだけれど、それを真逆から描いてみせたような抜群の切り返しには、思わず唸った。
生き方を選ぶということは、ある意味で、死に方を選ぶことと等価であると私は思う。
これは、老夫婦が死に方を選択する物語であり、そして、究極のラブストーリーでもある。
結末は、悲しくて悲しくて、でも、これ以外もこれ以上もきっとないんだ、と思って、涙が溢れた。
だって、これが愛じゃなくて、何なのだ。
毎回読む度に涙が止まりません。
なんでもっとこうすれば・・・ああすれば・・・という思いと、夫婦の精一杯の愛情に複雑な心境になりました。
レビューが高評価ですので、読もうと思ってましたがテーマがテーマなだけに勇気が出なくて…。
キープにしたまま放置してました。
過去に起きた複数の事件をベースになっている作品なんだろうなと思いますが、老老介護、児童虐待、限界集落どれも決して他人ごとでは無いですね。
なんで今まで読まなかったのか考えてみましたが、5話まで読んでみて泣けて泣けて読むのがつらいんです。
でも、そこで止めちゃいけない気がして…。
私の願いとしては是非とも実写化もしくはアニメ化をしてほしいです。
こういう作品こそ世の中に広まるべきです。
コンプライアンス的に難しいのかも知れませんが社会問題として皆に問題意識を提起するには、この作品以外思い当たりません。
とても考えさせられる内容でした。
老夫婦の何気ない日常、幸せを、友人みんなが協力して守ろうとしてくれる姿と、その事で苦しむおばあさんの切なく苦しい感情、おじいさんの決断、最後は涙無しでは読めませんでした。いい話です。
何度読んでも最終話で泣いてしまいます。
なんの涙なのか、と聞かれても上手く答えられないけど、とても複雑な気持ちになります。
夫婦愛?高齢者社会?老老介護?全て含まれているとおもいます。
ラストの手をつなぐところでもう涙です。
こんな短編で、ここまで泣いたのは初めてです。
本当にあった話を題材にした創作のお話だったと知ってからは、知らずに読んだときと感じ方が変わりました。
福井火葬場心中事件。ウィキペディアにのっています。
本当の話は心温まるお話しではないだろうけど、作者様にアレンジされた内容は、悲しい老老介護だけれど、こんなに静かに愛情のある最後を迎えられるのは、やっぱり美しいと思いました。
老老介護の問題かと思われた事件は、実はもっと別の事件の真相が隠れていた…。
なんとなく読み始めましたが、あっという間に最後まで読んでしまいました。
愛情とは、正義とは、夫婦とは。感動と言うより胸が締め付けられました。
〝ボタボタ”と涙を流しながら読み終えた作品です。
労わり合いながら暮らしていた夫婦に訪れた悲劇。やるせない思いがあります。
でも手を繋いで最期を迎える2人の表情は恐怖よりも幸せに満ちているようで、悲しい結末ではないのかと思いました。
天に召された後も寄り添っていて欲しい、と願います。