2.0
表題作はとても好きです
『誤算の〜』がよかったのでほか作品を追っているのですが、この作品では表題作が好きでした。純粋な御伽噺の世界観が貫かれていて、それでいて切なく、未来を見つめながら現実を生きる地に足をつけたお話でよかったです。
余談ですが、1作目を読んでいてどこかで見たことのある絵と字だなあと考えていて「モリエサトシさんだ!」と気づいて、もしかして別名義なのかと思って調べたら双子なのですね…衝撃でした苦笑 こんなに絵も字も似るのかあ…。
それを知ってから後半を読んだのですが、モリエさん作品に必ず出てくるどす黒さをさらに濃縮して煮詰めたようなお話で、読者を選ぶ作品だなと思います。兄弟の話も父子の話も、あのような環境で育ったならここまで達観できるほどの自我は育つのだろうかと疑問になるし、こういう闇を好んでコンテンツとして消費している気がしてしまいました。
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