5.0
もうたまらなくよい。
私はこのサイトでたくさんの漫画を読んでますが、あまりレビューを書きません。
が、が、これは書かずにはいられません。
もう、良すぎて、今、どうしようもない気持ちに飲み込まれています。
読了後にこんなに感情ずぶ濡れになることなんて滅多にありません。
もう、なんですかこの作品は!この作者さんは!という気分です(>_<)
哲生は私の大好きな人に似ています。
不器用で、照れ屋で、本当の気持ちをうまく出せなくて、それで損をしてばかりな人。
お金がなくて色んなアルバイトを掛け持ちして、それでも自分の好きなことを、例えそれが不安定で収入が少なくても、やり続けてる人。おまけに、出来の良い安定した仕事に就いた弟がいるってところまで同じです。すごくすごく重なります。
不器用で天邪鬼で馬鹿正直な哲生と、「年上の女」というレッテルを敢えて自らかぶり続けて逆に苦しんでいるようにも見える晶とが織り成す恋の、なんとも言えないのひと紡ぎひと紡ぎがたまりません。
後半、雲行きが怪しくなってくると、馬鹿正直すぎる哲生の気持ちも、離れてゆくものを黙って見ていることしかできない(乱れて引き留めたくてもきっとそんな自分は自分が許せないのかな)晶の心情も、どちらも身に染みて、胸が詰まりました。
光源氏と六条御息所を思い出しました。
(いや、晶のイメージってすごく六条御息所ですよね。)
個人的には、スケッチブックの中に見つけてしまったハナミの似顔絵が何より一番ショックでした。ズシーンと来ました…だってだって、晶の似顔絵は顔無しのっぺらぼうだったのに、ハナミにはあんなに活き活きキラキラと「顔」を描いていたのですから…
それから他には、哲生の、「隠しきれずにこぼれる嬉しい顔、喜んだ顔」が、最高に良かったです。不器用で恥ずかしがり屋で女性経験も少ない男の人が見せる嬉しそうな顔って、まさにこんな感じだよなーって、すごくツボでした。笑
こんなに好きになれる作品に出会えて本当に感謝です。また読み返します。単行本が欲しいくらいです。
ありがとうございました。
追記
そういえば読んでいて、ここは京都かな、と感じました。景色とか、建物とかで。後から作者さんを検索したところ、京都在住の方でした。どおりでですかね、私も以前京都に住んでいたので、親近感が湧きました。
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