5.0
懐かしい
実家に単行本があり何十回と繰り返し読みました。
お陰で源氏物語が大好きになり、他の漫画家さんの源氏物語も読みましたが、こちらの作品がダントツで分かりやすく、かつとても感動しました。とくに紫の上の死に際。
源氏の君の度重なる浮気で心を痛め、一時は愛が冷めてしまったと思っていた紫の上ですが、死の間際に源氏の君の涙を見て、自分の本当の想いに気付きます。そのシーンの描写やコマ割りが秀逸です。
物語の最初の方はハイカラさんの絵に近い上に、ややコメディタッチな部分もありますが、後半に進むにつれて絵がとても繊細なタッチで美しくなり、シリアスな雰囲気が多くなります。
光源氏死後の話である宇治十帖の巻は特にそう感じます。
絵が古臭く感じる人もいるかもしれませんが、1度は読んでみて欲しい作品です。
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