【ネタバレあり】ふるさと頂きますのレビューと感想

港区住みで故郷がないとは？

故郷がない主人公夫婦がふるさと納税を利用して故郷探しをする漫画。
このあらすじを聞いてハァ？と思うでしょうが本当にこう描かれています。
カナダ生まれの日系カナダ人主人公は、何故か私には故郷がないと言いその夫も港区生まれ港区育ちなのに故郷がないと言ってます。

いや、子供の頃から転勤族で各地を転々としていたならともかく生まれ育った土地が故郷ですよね…？
どうもこの作者、故郷イコール「東京以外の地方で車や電車を使わないと帰郷できない距離にある田舎」だと勘違いしてる様子。
カナダ人妻が「カナダではメープルシロップを使った料理を作って〜」みたいに話している時点でしっかりカナダが故郷じゃん。

ふるさと納税の返礼品を食べるだけで「返礼品美味しい！この街住んでもいいかも！よーしここを故郷候補にしよう！」という流れもわかりません。
普通、第二の故郷を探すならその土地に行ってみて暮らしてから考えません？
北海道のカニ美味しい！移住しよう！とは思わないでしょう、その土地の苦労や住みづらさも知らずに。

話の核であるふるさと納税返礼品ですが、毎回違う食材を使う割にその美味しさが伝わりません。
たとえば茄子の回にいたっては「茄子嫌い、食べたくない」と明らかにマイナスの描写がありそんなに嫌いなら何故納税してまで頼んだの？となります。
結果茄子は嫌いだけどこれなら食べられた！というオチになりますが原型留めないほどペーストにして大量のスパイスを混ぜ込んで素材の味を消しまくったもので「嫌いだけど克服した！」と描かれても…。
これ産地の人は嬉しいんですかね？素材がいいから茄子嫌いでも食べられるほど美味しいシンプルな焼き茄子！
とかの方が嬉しいんじゃないですかね？

主人公夫婦のキャラに魅力がないのもマイナスです。
日系カナダ人妻は30代なのにまるで幼女みたいな振る舞いが気持ち悪い。髪の毛の角みたいな部分パタパタするのやめてくれませんかね？不気味です。
変な髪型の夫はいつも不平不満が多く単純に人物として愛せる個性も魅力もなし。

ストーリーがテンプレで進むので恐らくふるさと納税PR目的だと思いますが、これを見てやってみよう！とは思えませんでした。
せめてキャラに魅力があれば少しは作品にも愛着が湧くのかな。