【ネタバレあり】ロイヤルテーラー ―王宮の裁縫師―のレビューと感想

メドゥーサの上司が優しい

異種族の国に暮らす人間が王宮の裁縫師に。
設定もおもしろいけど異種族の特性や環境を理解して主人公の人間・ハナが服を作っていく話はとてもよく考えられてるなーと思いました。
異種族も描き分けが凄いです。
そして上司はメドゥーサです(笑)

異種族が主の国、人のハナは！

人のハナは、孤児院で生糸作り・他の種族の子供達の洋服を種族ごと・年齢別に作っていた。人は他に特性を持つ種族に比べると、弱いよね。
だから、この国では宮廷内で人が裁縫師として働くのは難しいと思って読んでいた。
でも、このハナをスカウトしてきた蛇男の係長はちょっとオカマだけどいい人！種族などの色眼鏡で見ずに、性格と裁縫師としての力量を見てくれた❣️ちょっと作業が遅くなると「今日は上司の私の酒の相手をして。それでチャラよ」と、本当にいい上司。
今の世の中、こんな上司いるかな?裁縫師たちを守るべきことをよく分かってるよね。
こんな上司だったら、職場で頑張れるよね❣️
私は今は運良く人が上だけど、機械に乗っ取られたらこんな世界になる⁈ならない⁈

異世界もので、獣人やエルフが虐げられるものはよくありますが、これは逆で人間がぞんざいに扱われる世界です。
人間に優しい上司に拾われて働くことになるわけですが、周りの誤解と取り除きながら、みんなに認められていく主人公の姿は、見ていてとても気分がいいものですね

服で誰かを救っていくってほんと素敵！今は大量生産大量破棄の時代だけど、本来服って一人一人合う服が違って当然！その人のために存在する服が本当の服なのかもしれない！