さるまね
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あらすじ
天明三年。世では飢饉による食糧難のなかでも、主人公の可畏が住む山村では野生の動物を狩ることで他よりも幾分良い生活ができていた。しかし、ある日山で迷ったという男が村に来る。一向に目を合わせようとしないその男を訝しむ可畏だが、家族とともにもてなす。そしてその夜、村の外れではさらなる招かれざる獣が入り込んでいた...。
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みんなのレビュー
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生物パニックとしての的確さ
映画のジャンルで言えば生物パニックというところだろうが、本作のモンスターは単に「恐ろしく物覚えのいい猿」であり、それってちょっとどうなの、と思って読み始めたものの、いやいや、面白かった。
人間の行為を見たら何でもコピーする、ただそれだけの「能力」だが、この設定がなかなか奏功していて、太刀打ちできない化け物というわけではないが、実に厄介、という絶妙なバランスで不安感を煽る。
考えてみれば当然だが、我々を遥かに凌駕する猿の身体能力でもって「人間にしか出来ないはずのこと」を容易に真似されたら、それは恐ろしいことになる。
また、決して「モンスターの設定一本」の漫画というわけではなく、登場人物や舞台装置の作り込みが丁寧なところも、ポイントが高い。
主人公の「マタギとしては気の弱さがネックだが、命の重さを知っている」、「瞬間画像記憶的な能力を持つため猿の個体を見分けることが出来るが、それによって動物に情が移るからマタギには不都合だ」という設定もストーリーとうまく噛み合っているし、村の内部の裏切り者の存在や、不満の噴出による共同体の秩序の崩壊といった展開も、ある種のテンプレと言えばそうだが、着実に作品を盛り上げていた。
加えて、マタギの世界そのもののリサーチも結構きちんとやっていることが推察され、総じて丹念な作りに好感を持った。
小説でも映画でも漫画でも、全ての生物パニックが本来そうである(べきだと私は思う)ように、本作もまた、未曾有の危機下での人間の強さと弱さを描出する。
そのひとつの落とし所として、村の老人が語った、「人間は脆い。追い詰められたら感情で動いちまう。お互いを蔑み、疑い、騙しあう。だがそれでも、人間は議論し助け合える。感情と知識を共有して困難を克服できる。わしらは猿じゃねぇ」という宣言は、生物パニックというジャンルのひとつのアンサーとしてとても的確なものであると感じられて、私は好きであった。by roka- 2
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5.0
さるまね、本当にタイトルそのままです。でもしっかり作られていて怖いというより恐ろしいんです。元々賢く器用なお猿さんが見様見真似で人間のすることを学習していくと太刀打ちできなくなっていくんじゃないかな、、、。現実的ではなくても考えちゃうお話でした。
by ahtr- 0
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4.0
それが解ったのに…
なぜ…解らないかな…子供だもん仕方ないか…自分がやられるという思考回路にはならないのかな…。息子よ…。
by さゆり1106- 0
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4.0
現実にはありえない、とは思っていても、もし何かのきっかけで猿の知能が進化したらこういう事が起こり得るのかも、と思うとただただ怖い。学ぶことは真似することから始まる、と言いますから、この猿達はどんどん学んでいくんでしょうね…怖っ(苦笑)
by yamanen- 0
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3.0
嫌いじゃない
これは…怖い。
実際に、遠くない未来にこうなっても全くおかしくない…それが怖い。
動物は火を使わないと言われてるけど、猿たちなら、いずれは使うかもしれない。
ちょっとゾッとする作品。続きも気になるっす。by ジャブロー- 1
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