4.0
“友達”から“恋人”…って、それだけか?
帯の「“友達”から“恋人”へ…」の通り、初恋と性的指向を踏みじられて転校したゲイ男子(表紙左。受け)と、家族の愛情を知らないノンケ優等生(表紙右。攻め)が、次第に愛や恋情を深めていくストーリー。
幸田みう先生の作品を、書籍出版順に並べると
①more than red(2017.7)
②可愛くない後輩(2018,6)
③HELLO(2019,2)←【本作】
④十年後にあがった、あの日の雨(2020,05)
⑤マイスイートホーム(2020,07)
⑥リトルローズハウスへようこそ(2021,09)
⑦柚木くんと瑠璃くんのハッピーライフ大作戦!(2022,11。めちゃコミ現在未配信)
…のようで。
これを見ると分かってもらえると思うんですが、めちゃコミ配信の順番と作順が、かなり違うですよ。
…ってか、自分の中での幸田みう先生の原点は『十年後にあがった、あの日の雨』なので、本作を切っ掛けに是非読んでみて貰えたらなぁ…と思い、作品順を書いてみました(下心)。
幸田みう先生の作品の特徴として、絵の丁寧さや細部への描写の繊細さが挙げられると思います。
そして、性的表現がエロちい濃厚さじゃなく、爽やかな思春期の肉体同士…みたいな。(個人的感想っすが…)
実を言うと、自分の中では『十年後…』が基準なので、『マイスイート…』や『リトルローズ…』には辛口評価をしてる部分もあり。
絵風や画力的に『リトルローズと…』の方が高いとは分かっていても、本作の瞳や表情の下手?な意地悪さ、性悪さ、意外性(1+1=2の想定を覆す揺らぎ)が、不確定で傷つきやすい十代の表現に合っているかと。
ただ、本作はストーリー(内容)が弱い気がして。
次第に性的対象として意識していくノンケ、トラウマがあっても信じて好きになりたいゲイ…と、愛情や不安がよく練られているし、繊細さのある画風とよく合っていてるんですが。
しかし、こう言っては何なんだが、それだけなんだよなぁ…。
それは、自分が傷や痛みを求めたり(『十年後にあがった…』等)、透明過ぎる愛しさや哀しさ(佐岸左岸先生『春と夏となっちゃんと秋と冬と僕』等)、圧倒的過ぎる内容(一ノ瀬ゆま先生『神様なんて信じない僕らのエデン』等)などを、男子高校生モノに対しても求めてしまう、個人的嗜好による感想なんですが。
なので、星は4でごめんなさい。
-
3