【ネタバレあり】家族失格のレビューと感想
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幻想としての家族
舞台は大正時代。
家族を病で失った主人公の男が、疑似家族の一員になる、という奇妙な求人を受けるのだが…という話。
着想は面白かった。
それなりに不穏な雰囲気も楽しめた。
が、設定とタイトルからほとんど誰しもが容易に予想し得る展開をひとつも裏切ることなく流れていってしまった、という印象が強い。
「疑似家族」は当然、本当の家族ではない。
しかし、ならば「本当の家族」とは何だろう。
考えてみれば、家族という概念そのものが、本来、不確かで危ういものだ。
それは、人類が歴史の中で獲得したひとつの幻想なのだと思う。
疑似家族の描写を通じて、家族とは、ということにもっと斬り込んでくれれば面白かった気がするが、踏み込みが浅い感は否めない。by roka- 2
3.0