4.0
やるせなさの極致
10年以上恋人の浮気に耐えに耐えてきた主人公が、自分の不治の病もあってついに関係を断ち切り去った途端に浮気ばかりしていた恋人が、自分の10年間の冷酷な仕打ちを嘆き反省して、主人公を取り戻そうとする。時間は取り戻せないという事実を無視して…。恋人はそんなに反省するならなぜ軽薄な浮気を繰り返したのか私にはさっぱり分からないが、この二人は到底元のさやに納まることはないことだけははっきりとわかる。さらに死にゆく主人公を愛する別の人が現れて、これでもか、というほど辛い愛情模様が繰り広げられるこの作品はやるせなさの極致が味わえる。
- 5