みんなのレビューと感想「[小説]異世界遊郭物語～銀狐王の寵愛～【特別版】(イラスト付き)」（ネタバレ非表示）

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主人公の悠人はかわいくて健気な頑張り屋。
お相手の東雲様は洒脱な美丈夫で、優しくて甘やかし上手な狐の獣人。
異世界に飛ばされて懸命に生きる悠人を温かく包み込みます。
悠人が働かされている見世の楼主が嫌な奴で、悠人を目の敵にして虐めるけれど、色子仲間たちはいい人達ばかりで読んでいて救われます。
悠人と東雲様の距離がだんだん縮まっていく過程も微笑ましく、東雲様からの告白も素敵。
そんな中、悠人は阿片をめぐる陰謀に巻き込まれ、絶体絶命の窮地に追い込まれますが、もちろんヒーローが助けに来てくれます。
花街を裏で取り仕切っていた悪党との騒動が無事解決し、大団円。
でもただ一つ私が切なく思うのが元の世界の幼馴染のこと。
目の前で突然消えた親友を50年後(こちらの世界と向こうの世界は時間の流れの速さが違う)も偲んでいる姿に涙が出ました。

東雲様と結ばれ、得意の稲荷寿司を販売するお店を開いた悠人。
続きのお話は、店を手伝う色子仲間だった鈴蘭とリン、それぞれの恋のお話です。
鈴蘭のしっとりした大人のお話も、意地っ張りで元気なリンのお話もすごく良いです。

花魁、花街って表から見ると華やかで素敵だけど裏側は哀しみや悪の巣窟で、そんな場所に突然は飛ばされてしまった悠人は戸惑っていたのに自分の置かれた立場を受け止めてこれまでと変わらず彼らしさを失わずにいることを強いと思った。
だから東雲様も悠人を好きになったんだろうな。