鬼門街
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あらすじ
鬼門と呼ばれる街に生まれた主人公。可もなく不可もない日々を過ごしていた彼を襲う悲劇とは!?
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みんなのレビュー
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冒頭の献辞
反抗期で母にぞんざいな態度をとる高校生のマサト。
父は、長距離ドライバーで留守がち。
ある日、いつものようにだらけた態度のまま部屋に篭るといつの間にか眠っていた、
リビングに行くと、母は既に立ち去った何者かに惨殺されていました。
犯人は捕まらず、
生意気で全然愛情や感謝を伝えていなかった日々やその日に限ってヘッドホンで音を遮ってしまっていたことを後悔しながら
マサトは、転職した父と何とか日常を取り戻そうとするのですが、
今度はマサトがチンピラに因縁つけられ暴行され、死んでしまうことに。
が、そこに鬼が現れ、今死んで天国へ行くか、或いは鬼に魂を売って生き延びるか、ただしその場合、いつか最期を迎える時は必ず地獄行きに決まると、マサトに選択を迫ります。
生きるため鬼に魂を売ると決めるマサト。
しかしこの鬼・豪鬼は実は割と高位の鬼で、誇りを持った話せる奴。
マサトは豪鬼に聞いた話から母を殺したのは鬼に魂を売った人間の誰かだと確信し、
鬼憑きの人間を探すことに。
そして、その先々で鬼や人間達の起こす悪事に出会い
その末路や、鬼を退治したところで救えない人々に心を痛めていきます。
その度に豪鬼は、自分たちはちっぽけな存在で、聖者になんてなれないのだと言うのでした。
……
もう、これでもか、というくらい始まり頃の主人公が可哀想で、
豪鬼に死か地獄かを選ばされる辺りで、こんなに理不尽な設定、作者さんは命を軽視しているかサディストなのかな…と正直少し嫌気がさしたのですが、結構その後の展開も面白く、まだ中盤なのですが、寝不足になるほど一気読みしてしまいました。
それで、途中まで読んでから知ったのですが、作者さんがこの話を描いたのは、実は作者さんの親友が理不尽に暴行され殺害されたという重い現実の背景があり、
漫画にしか出来ない問題提起を模索した末に描かれた作品なのだそうです。
物語の冒頭で献辞を書かれた人がその親友さんらしいです。
それを知ったら、作品中の残酷な描写も決して命の軽視などではない、現実の理不尽を訴えるために描かれた物なのだな…と、
知る前とは違った印象を抱くようになりました。
この後書きは本来、「決意表明2」の後に書かれているようで、めちゃコミでは省かれているのですが、
出来たらそれも載せた方がこの作品のメッセージが伝わるのではないかと思いました。by スミーくん- 184
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3.0
作品と背景と
鬼に魂を売って生き延びることを選んだ少年の物語。
「幽★遊★白書」+「寄生獣」、というと、まあまあわかりやすいかと思う。
決して退屈したわけではないが、登場人物の感情表現はいささか紋切り型で、特にモノローグについては、稚拙、という印象が拭えなかった。
巻末の文章で、作者の親友が集団暴行によって命を落としたことが、本作の着想のきっかけになったことを知った。
作者がこの作品にどんな思いを込めたのかも知った。
だが、この点に関しては、私は作品の評価からは完全に除外した。
作品とその背景というのは難しい問題だが、その背景でもって作品に対する評価を極端に変えることを、私は自分に許可していない。
例えば、ミュージシャンがクスリをやっていることが判明してその曲を聴かなくなるとか、そういうのが私は嫌いだ。
作品は、作品だ。
どんな聖人君子が崇高な決意のもとに描いた漫画だろうが、どんなクズ野郎が適当に描いた漫画だろうが、作品は作品として純粋に評価すべきだ、というのが私の考え方である。
この漫画が生まれたバックグラウンドには、なるほど、悲劇的なドラマや悲壮な決意があったのかもしれない。
しかし、突き詰めればそれは、どんな作品にだって、あり得る。
私たちがそれを知らないだけで。
例えば、とことん下らないギャグ漫画を描いている作者の秘めた決意など、私たちが知る機会は基本的にない。
作者が作品の背景を語ることを、否定はしない。
仮に私がこの作者と同じ立場だったなら、やはり、書いたのではないかとも思う。
しかし、思うのだ。
本当に語りたいことは、作品の中で語るのが、作者の本分ではなかろうか。
その意味で、この漫画がそれほど雄弁なものになり得ているとは、私には思えなかった。by roka- 28
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5.0
禅問答のごとき、読者の内面性を探る
作者さんの自伝的作品から感じたお優しさやウブな純粋さや強さ、年齢に見合わないほどの老成し達観した腹の据わり具合はこの主人公そのものの様で、気付くと引き込まれて声援を送っていました。
しかし、その優しさやまっすぐな純粋さにご注意を。
シンプルで淡々とした進行と壮大な設定は、全て「人の生=人生とは」という根本的かつ答えが未知で無限な題材を源としていて、読者の思考や生き方を投影しやすく、それがゆえに評価が大きく分かれそう。
禅問答の様に、読者も気付かなかったようなおなかや頭の奥底をまっすぐなピュアなまなざしとひたむきな優しさで探って来ます。
薄暗いところを持つ者や、大切なものを守れない者、ものを考える力を放棄した者は、不快感を与えたり、目を背けるということをさせてしまうかもしれません。by んほ。- 7
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5.0
自分の芯の強さ
冒頭からの主人公の悲惨な状況。
私も家族を持つ身なので、主人公のお父さんのことを思うと痛たまれなくなる。
作者の方のこの話ができるきっかけを読んで言葉にできない想いが。
それを知ってしまった以上この漫画のことを面白い!というのはまちがっているかもしれないが、すごくいい!
まず豪鬼。
面白すぎるしいい奴すぎる。
ほんとに鬼なのか?!
口が悪いけど憎めない口調。行動も可愛すぎて!
まだ途中でマサトが進むべき道を見つけたところだけども
人には絶対に悪の部分を持っていて。
力を持った時にその力の使い方でその人の心の真の強さが出るんだなあ。
これから2人がどう進んでいくのか。
お母さんの仇がとれるのか。
お父さんを支えるができるのか。
気になって仕方ない。by 匿名希望- 6
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5.0
世の中の理不尽にとことん向き合った作品
暴力的な表現がたくさん含まれているので、苦手な方にはあまりオススメできません。しかし、世の中には善良な市民にも関わらず、理不尽な仕打ちを受けて命を落としてしまう人がいます。たまたまそこに居合わせたというだけで、まるで不慮の事故に遭うような巻き込まれ方で…
母親を何者かにより殺されてしまい、塞ぎ込んでいる主人公が、ある日二人組の男たちに一方的に絡まれリンチを受け、まさに命が消えようとしている時に、延命と引き換えに鬼と取引をします。そして主人公は鬼による絶大な力も得ることになるのですが、それには犠牲が伴っていて…
力を得ても主人公はあくまでも真っ直ぐでやさしく、しかしそれをもってしても世の中にはどうにもならない悪や理不尽が溢れている。
凄惨な境遇や内容に、読んでいてとても辛く感じることもありますが、とてもメッセージ性の強い作品だと思います。by ★maki★- 5
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