【ネタバレあり】風の城砦(カスバ)のレビューと感想

ヨーロッパ諸国が覇権主義に突き進んでいた時代を背景に描かれた本作、相変わらずこの作者さんが描く物語は緻密な設定で、作中に引き込まれます。ハッピーエンドなんだけど、苦味も刺のように残るのが、考えさせられます。

河惣さんならではの漫画

この作者さんは、スピリチュアルと歴史を本当に上手に融合させてお話を作る人だなぁと思います。これは、青い瞳を持つ女性は必ず若いうちに凄惨な死に方をするという呪いのある一族に生まれた青い瞳の美女ソレイユ・ルナが主人公のお話です。彼女が不屈の精神で自らに枷られた運命をどう乗り越えて人生を切り開いていくか。色んな伏線が見事にラストで結果を出していて読みごたえ十分な素晴らしい作品ですよ。

設定とストーリー展開が面白い

絵は線がキツくてまろやかさがなく、ちょっと苦手だった。
フランス絵画アールヌーボーのまろやかな絵（好きです）をかなりきつくしたような感じ。

話の設定とストーリー展開は面白い。

でも、話はそこそこ面白いが、
ポイント使って全話買うほど、登場キャラにのめり込めない。
どのキャラも性格が前面に出ていないので、キャラに魅力を感じなかった。

キャラ別の絵の描き分けも、あまりうまくない。
髪の毛で違いを見せているだけで、どのキャラも似たり寄ったりの顔。
3次元の本物の人間は顔を見ただけで違いがわかるのに、この漫画の2次元キャラは顔だけ見ても違いがわからない。
全部同じ輪郭と目鼻立ち。

でも、基本設定とストーリー展開はしっかり練り上げて、話を描きこんでいる。

なので、最終話だけは読んで結末を確認したい。
結末がものすごく面白ければ、そこに至る途中経過の話も、ポイントで買って読もうと思う。

良かった✨

作られた伝説の為に歴代の8人の青い目の女性達やソレイユは苦しんでた。恵まれた財産、美貌、完璧な婚約者を得ながらその伝説の為にどれだけ泣いたのだろう。18歳なんて一番輝いて楽しい時期のはずなのに一番苦しいなんて可哀想だった！だけど負けまいと必死で調べ生きようとするソレイユは好きでした✨シナーンの出生の秘密やラストは衝撃的で驚いた。でも外伝で無事で良かった。許したソレイユ達って本当に懐広すぎ。他の登場人物達も魅力的でした。改めて読み直したけどソレイユの祖母だけは大嫌いで私は全く同情出来ませんでした。夫、子供や孫より自分やお家が大事。自己中で何でも人のせいにする最低でした。だから幸せになれなかったのよ！と言いたい！