【ネタバレあり】[小説]恋が僕を壊してものレビューと感想

コロナ禍に読むと

今、コロナ禍に読むとなんか切実な感じがします…あと、ヒロインの犠牲的な立場とか、ヒーローの知らずに惹かれる宿命に引き込まれて読みました。

最後を読んでいると凄くかなしくなります。救いなのがイナが愛らしくてヒーローに守られて幸せになることを祈ります。

さすがソーニャ!!

ずっしり重くて昏くて、ソーニャさんらしさ全開!!って感じでした。
ヒーローの壊れっぷりが、本当に恐いけど、人を愛するってこういう事なんだな…と思わずにはいられない作品です。

新しい解決策

元々隔離された、宗教色の強い国の呪われた王子が己の才覚で道を切り開いていきます。孤独に押し潰されそうな中、ヒロインに出会い、不思議で無垢な様子にいつしか愛しさで一杯に。ヒロインも孤児院から神殿で辛い仕事を任されており、短い一生を憂いながらもヒーローと幸せな時間を噛み締めます。

なぜ宗教国なのか、なぜ王は神託という迷信じみたものをするのか、なぜ疫病が流行るのか、なぜ呪われた王子なのか。
疑問はいっぱいあるのですが、綺麗に回収されます。そしてヒーローの選んだ選択は小説でも初めての結末！新鮮でした。関係したキャラ全ての結末に愛があって、納得のストーリーでした。

怖いほどに神の力が覚醒しますが、この先ガンガン活躍してるとこも見たかったです。

ストーリーに惹き込まれる！

読み応え、価格ともに満点です。
が、あえて厳しく☆4

皇太子がヒロインを思って壊れるところはすごく共感してしまった。
ヒロインはひたすら純粋。不遇な子供時代からそのまま何も知らず体だけ大人になった人。
ラストはハッピーエンドだけど、そこがちょっと引っかかるくらい。
かの人に、もうすぐ死ぬと言われたのになぁ？皇太子はヒロインの先のことは視られないのかなぁ？
ってとこが気になる。

イナの苦悩

純粋無垢なイナが、葛藤し、苦悩する様が何とも痛ましい😭
長くは生きられないと、努めて心の麻痺を演じているかの様な感じもした。
でも、心が喜びと期待、ときめきを知ってしまったら、生への執着が生まれた。
しかし、それを口に出す事は、絶対に出来ない❗️
何も言ってはいけない。自分の存在は、あと数年？で消えるのだから…。
そんな身も心も切る様な辛い状況。
全く知らない王子。故に苛立つ事もある。
しかし、イナを想う気持ちは✨本物✨
もう、涙が止まりませんでした。
ヒロインが泣かない分、自分が涙してしまいました。
ヒロインに泣いていいのよと謂いたくなりました。
もう、絶対お薦めです✨

通知が来て思わず一気に読みました。

容姿故に疎まれきた王太子に、過酷な宿命を背負わされたヒロイン
子供の頃に出会い、最初は特殊なりに可愛い恋心を育んでいきます。
不幸な中の幸せに切なくなりました。

中盤の危機的なことをきっかけに王太子は壊れますが、ソーニャ的にはありがちパターンかもしれません。
2人とも一途です。
でもヒロインを愛しすぎて暴走する王太子に対し、真実を告げられず苦しむヒロイン、命の期限も刻一刻なのでドキドキしました。

登場人物の多くは、わんこも含め物語に深く関わっています。設定が細かくて失礼ながら感心してしまいました…

残酷な運命もありながら、所々で微笑ましさもある作品で、良かったです。