5.0
人は愛なしには生きれない
これほど鮮やかに冒頭と最後の衝撃が異なる作品もそうそうないのでは?と感銘を受けました。まさに「閃光」のように。
ホラーとしか言いようのないショッキングな出だしに拒絶反応を感じた方も多かったようですが、読み進むにつれ、意外な方向ではあるものの、きちんと帰結する伏線でもありました。
登場人物それぞれが抱える闇…どれだけ、人間が、親からの愛を求めているのか。親から承認してもらえない苦しさ、読む側からしてどんなクソ親であっても、子にとってはかけがえのない存在かということを我が身のように感じて心が痛みました。
比較的短い尺で、ここまで重いテーマを完全燃焼させた作者の力量に感服です。
また、最後に画力の高さ、特に民子の透明感と煌めきが更にこの作品の評価を高めさせたことを付け加えさせて頂きます。
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