【ネタバレあり】月にむら雲、花にあらしのレビューと感想

ほのぼのはんなりBL

この作者の作品は根っからの悪人！タイプが基本的におらず、ゆったりと凪いだ穏やかなストーリー進行で安心感がある

三木はまさに「ええしの坊」そのもので嫌味がなく存在そのものが可愛らしく、こりゃ鶴間も惚れるわという謎の説得力笑

非日常的なくらいほわほわした恋愛物語の一方で、美術関連の話などはリアリティがあってしっかりしている
コンクリートで固めた土台の上に乗ってるから、砂糖菓子でできたハートが生き生きしているんだろうなあ

10年越しの恋

何の気なしに読み始めたら、二人の空気感に引き込まれてどんどん読み進めてました。
親友の鶴間に告白されてから10年、その間何度も告白を受けながら関係を壊したくなくてのらりくらりとかわしてきた三木。
一方の鶴間は、何度告白しても相変わらず無防備に毎週のように泊まりに来る三木に、さすがに我慢の限界が来て距離を置きます。
それによって三木も鶴間の大切さに気付き、告白を受け入れる事に。付き合ってからの三木の心情の変化や、照れて挙動不審になっちゃうとこが本当に可愛い。
鶴間も初エッチは焦らず待つって旅行まで計画してたのに、三木の可愛い一言に火が付いて、めちゃめちゃ浮かれてフライングしてがっついてたのが可愛いかった。
三木のおばあちゃんが全てを察知して、背中を押してくれたのにも感動しました。
幸せな二人が見れて良かったー♡

何だ！この二人…可愛すぎる。
まず三木の京都弁にやられた。
鶴間の一途さにも。
読みながらニマニマしてしまった。
ばあちゃんや廻りの人も皆んな好きだなぁ。

波乱とは無縁な、仲睦まじい二人のまったりした日常BL。「友達と恋人の境のない二人」とあとがきにあるように、ごく普通の、だけどすることもしてる男二人って感じでした。

サラッとしてリアルな台詞

これ無茶苦茶好きです。ストイックな日本画家の鶴間といいとこボンボンの三木の自然でほんわかした関西弁がたまりません。とにかく鶴間の日本画家としての立ち位置もすごくリアルです(天才画家とかじゃなくて) 三木のお祖母さんも素敵だし、お金持ちの旧家の暮らしをサラッと自然に描いてて いいとこの人達ってこーゆーもんなんだろな・・と思います。「画家になる人って毎日毎日絵を描ける人」とか「画家は気分転換も絵を描くんやな」とか 「絵が上手いなんてキーボードが早く打てることと同じこと」とか・・コメリさんって 美大生や画家の世界がよくわかってる人なんだと思われる台詞がいっぱいです。サラッと描かれているけどコミュ障気味で お気楽な三木によって世界が広がっていった鶴間 お婆ちゃんのことも鶴間のことも「自慢したかってん」って言う三木の幸せな家庭に育った故の性格の良さとか・・何度も読み返して“出会えてよかったね”と幸せな気分になります。

レヴューが少なくてびっくりしました。
主人公２人の心理描写が言葉と漫画の中に出てくる絵画の中に表現されておりとても豊かに描かれています。
言葉より絵を見れば想いが伝わってくるなんて素敵だなーと思いました。
また最後の祖母の懐の大きさにも感謝でした。今後日本も性に対するボーダレスな風潮が広がればいいなと思います。
性への偏見は誰も幸せになれないなとかの作品を読んで改めて思いました。

読んで良かった

タイトルが気になり読んでみました。
私的には、日本画家・田舎・隠れ家的平屋のキーワードに興奮しました。日本画家というだけでエロいです。
10年友人というか親友をやってて、関係が変わるという時。色んな感情が渦まき、溢れてくる。丁寧に描かれていて面白いです。
三木の京都弁いいです。作品の雰囲気に合っててはんなりします。
本音を言わずはぐらかすのかと思いきや、不意打ちで可愛いことを言う三木。これはガッツキたくなります。
エロシーンの二人、かわいいです。
鶴間の描く絵、艶があって好きです。
一途な男・鶴間と純情男・三木の恋のお話、恋愛好きにお薦めです。