【ネタバレあり】王国物語のレビューと感想

光る刀剣を撫でるような澄んだ世界

まだ、5話しか読んでませんが、冷たく危ういようで、闇を感じない、鍛え抜かれた銀色の剣が心に浮かびました。そこに存在するだけで、空気が変わる清廉な剣のように強い魂をもった双子の兄弟。皇太子の身分を捨て、しがらみのない場所で生きながら沸き起こる感情。シンプルで分かりやすい描写も良いです。作家さんのファンになりました！

カラーで

双子の運命が一層綺麗に映える。
生命を授かったその乳飲み子の瞳の色は…アードルテなのか。
身を引くのか旅立つアーダルテにアードルテはすがる。

日々が過ぎて乳飲み子は少年へ。魚を手づかみで漁をするほどに成長。声をかけるアーダルテのまばらな無精ひげさえも麗しき面影。

少年の名はアーダルテ…瞳の色はわからない。幸せかと問われると小さくうなづいた。

我が名はアーダルテ。

アーダルテとアードルテ。名前も顔も容姿も瓜二つの双子。
クリソツで、どっちがどっちだかなかなか覚えられない。
途中で何度も忘れてしまい、分からなくなりました…。
そのたびにいちいち前の話に戻って確認し、ふたたび読み返しました。

独特の世界観や話自体はキレイにまとまっているので、上手いと思いました。

ただ、ややこしい。
個人的には読むのに軽く苦労してしまった。

中村先生は、やっぱりダークな部分が含まれている作品の方がおもしろいな、と再確認した作品です。王国物語、ストーリーもキャラクターも、結末もある意味最高でした。ハッピーエンドじゃないハッピーエンド、大好きです。

美しい！！！

中村明日美子先生の作品なので、間違いないと思い購入しました。
これまでのBLと違った世界の物語で、すごく引き込まれてしまいます！！
相変わらず、登場人物が美しくて、ため息ものです。

美しい絵と独特の世界観に圧倒されます。この、中東やゾロアスター教っぽい世界観、好きだなぁ。
こういう、殺伐としていながら粘り気のある世界において、明るく笑うキャラクターというのは本当に貴重です。

独特の世界観で、耽美というか…読後感は不思議としか言いようがないです。絵の好みは別れそうです。壮大な人間ドラマを見ているような感じがします。

世界観と中村明日美子先生の繊細な絵が秀逸です。オムニバスを読んでいるような感覚にもなりますが、兄弟愛のお話です

病床のシーン

病床の王様が最後に銃を渡すシーンが好きです。雑誌でそのときのお話しか読んでいませんでしたが、お話がつながっていることを知りました。

まだ無料分だけなので、ミステリアスなイラストで取っつきにくかった。
双子で片方が生贄として幽閉されていて、あるとき王子として育った方と入れ替わりますが、お互いに相手を恨んだり妬んだりドロドロした感情が書かれていないので違和感。