5.0
それぞれに高校時代の恋が忘れられない二人が出逢ってしまった。高森君と神藤君。
陰キャだった高森君は人気者・神藤君のことが好きだったけど、神藤君は社会の先生が好きだった。そして高森君は、こっそり抱き合う二人を見てしまいそれを知っていた。
二人とも、実らなかった恋を胸に卒業して、高森君は母校の高校教師に。神藤君は実家でその日暮らしをしていた。
モヤモヤを抱えた二人が再び出逢ったとき、何が起きるのか。
過去の清算の仕方、というか、記憶と感情の処理の仕方、というか。
途中、思い悩む高森君の夢?の中に出てくる神藤君のセリフとか、もう何が現実で何が夢で何が記憶で何が妄想なのか、境目がわからなくなっていく感覚に、これは隠れた傑作では?と思った。
最終的には、行動することで過去にけじめをつけていく二人。
つらくても怖くてもお互い一歩を踏み出せたのは、お互いの存在があったからだと思う。
予想以上にズッシリ来て、最後は軽くホワッと幸せな気分にしてくれる。
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