3.0
きれいにまとまりすぎかなあ
『リビングの〜』で知って、過去作品をいろいろ読んでみているのですが、絵も上手だし展開もポイントを押さえていると思うのだけど、うーーん、きれいにまとまりすぎかなあ…あともうちょっと欲しい、と毎回思ってしまう。
表題作は、始まりからテーマも矢沢あいさんの『NANA』を意識したのかな、という印象。それはそれとして、じぶんがずっと追いかけていた夢も好きな人も取られちゃったのに、好きな人のことは結局だれにも告げなかったの、主人公はほんとうに心が強いなと思った。オーディションを断ると言ってすぐに撤回して歌手デビューした友達が、主人公がいる前で遠慮もなくクラスメイトと明るく話してるシーンがあったのは違和感あったな…。最後、ここまでお互いのことを分かり合って信じ合うことができるなら(しかも何年も離れているのに)、それだけ強い絆ができるエピソードがあれば納得感もあったのに。とにかく、夢を諦めて地に足をつけていまの暮らしが幸せだと思える主人公が偉いと思った。
2作目は、咬ませ犬の社長が不憫だし、わざわざ婚約パーティで言わなくてよくない? という(大苦笑)もっとほかの場面で展開すればいいのに。
表題作は主人公の痛みが共感を呼ぶ分、2作目の方が読後感はよかったです。
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