うせもの宿

あらすじ

少女のような女将さんがいる古い宿。そこを訪れる客は、失くしたものが必ず見つかるという。不思議に満ちた「失せもの宿」で起こる数々のドラマ、そして秘められた謎とは――。 デビューコミックス「式の前日」、連載第1作「さよならソルシエ」が大ヒットの俊英・穂積が描く、驚きと感動の和風ファンタジー。

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みんなのレビュー

  1. 評価:5.000 5.0

    叙情の魔術師と言われる所以…

    うせもの宿はこの世に未練や後悔を残し生涯を閉じた者が訪れる宿。
    残したものを『うせもの』と転義し見つけ出すことイコール思い残すことを精算しこの世から旅立つ。

    逝く者も残された者もこういう解釈で別れを受け入れられたら…。
    涙無くしては読めませんが、辛い別れも前向きに捉えどこか温かい。作者さんが『叙情の魔術師』と言われる所以(ゆえん)がここにあります。

    作者さんの単行本は全て持っていますがこの作品は特にカバーも美しいです。
    ★5では足りません。過ちや後悔無く生きる事は不可能ですが、日々の過ごし方を考えさせられるこの作品、10年、20年後にも読み返してみたいです。

    • 30
  2. 評価:5.000 5.0

    うせものは…

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    必ず見つかる。
    大切なものは品物じゃないから。

    穂積先生の作品はいつも優しいけど、厳しい優しさなんだよな。
    この話もちゃんと最後まで読むと温かいけどほろ苦くって、強くなりたいと思う。
    大切なものをなくしたくないから。
    優しい思い出を忘れたくないから。
    積み重ねた時間は嬉しかったものも、苦しかったものもやっぱり全部覚えていたいと思うから

    うせもの宿を出ていくときは、笑顔じゃないと駄目なんですね

    • 10
  3. 評価:5.000 5.0

    揺さぶられる感傷

    昔読んだ小説の中で、語り手が「今までの人生で得たものと失ったもののリスト」を作ろうとするくだりがあった。
    まだまだ長い人生だ(と思う)が、私はこれから、何を得て、何を失って、生きてゆくのだろう。
    そして、死んでゆくのだろう。
    この漫画を読んで、そんなことに思いを馳せた。

    「うせもの」は「失せ物」である。
    「探し物」ではないのだ、本来は。
    だから、私たちはその多くを、見つけられない。
    取り戻せない。
    でも、永久に失ってしまった何かと、誰かと、もう一度、向き合うことが出来たなら。
    せめて、この世の別れの際に。
    そんな感傷を、ぐらんぐらんに揺さぶられる作品。
    駄目だ、涙なしには読めなかった。

    by roka
    • 7
  4. 評価:5.000 5.0

    予想どおりだけど

    ネタバレ レビューを表示する

    穂積先生の作品は好きで必ず読んでます。
    読み進めていくうちに、Sadエンドなんだろうなぁと思ってたら予想どおり…
    だけど、読み進めていきたくなるんです。奥が深いし、結末が気になって。1話ずつの話がとにかく切ないです。大切なものを見つけるつらさや重みが、切なさをさらに増幅します。
    また、番頭さんの存在感、彼がいないと話に締まりがなかったろうなと。主人公、マツウラ、番頭さんの絡みと、個々の存在感、それぞれがうまくハマってる作品だし、課金して無駄のないものだと思います。涙と切なさは絶対ですが…

    by 匿名希望
    • 3
  5. 評価:5.000 5.0

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    とても切ないお話でした。

    1巻はファンタジーを読む感覚で
    ふわりと読み進めていましたが、
    2巻で言い知れぬ恐怖感を感じて
    一度手を止めてしまいました。

    しかししばらく経ってから
    ふと読み返したくなり、
    3巻まで一気読み。

    最後、ほんの一時とはいえ、
    抱きしめられた瞬間、
    こちらまで涙がでる思いで…
    切なかったです。

    番頭さんが一番なぞ。
    冥府の長とかなのでしょうか…

    和風な屋敷やお着物、
    笑顔や泣き顔、
    すべての絵が綺麗でした。

    • 1

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