4.0
サバサバではないけどポジティヴ
イライラ→スッキリのリズム感が心地よい。
延々とイライラ、イライラさせられるのではなく。
またモグラ叩きみたいに、イラッ、スカッと手早く片付けるのでもなく。ちょうどいいタイミング。
そして問題のヒロイン兼悪役。周囲からどうイジられても、すべて前向きに受け止める。
これは美点も美点、彼女が圧倒的にポジティヴだからこそ、こちらも安心して笑える。
単なる勘違いの女のようで、いやいや、得難いキャラですよ。
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レビュアーランキング 90位 ?
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イライラ→スッキリのリズム感が心地よい。
延々とイライラ、イライラさせられるのではなく。
またモグラ叩きみたいに、イラッ、スカッと手早く片付けるのでもなく。ちょうどいいタイミング。
そして問題のヒロイン兼悪役。周囲からどうイジられても、すべて前向きに受け止める。
これは美点も美点、彼女が圧倒的にポジティヴだからこそ、こちらも安心して笑える。
単なる勘違いの女のようで、いやいや、得難いキャラですよ。
ラブコメにありがち「いつまで引っ張るねん、この敵役」「いつまで引っ張るねん、すれ違い」のイライラとは無縁です。
何せ全6話、始まったと思ったら終わります(それは言いすぎか)。
連続ドラマではなくて、2時間ドラマでもなくて、オムニバス映画の中の1本、そんな小品です。
もっと言えば、大昔の別冊マーガレット読み切り作品に近いかも。
懐かしの『カイジ』シリーズでは、これが文句なしにお薦め。
というのは、これを知らないで『ハンチョウ』にハマッてる人もいるだろうと。
あの美食家ハンチョウはもちろんのこと、変なロン毛の沼川も、限りなく大雑把な石和も、親しみやすいキャラどころか悪人も悪人、極悪人。
ハンチョウ前日譚、もうひとつのハンチョウとして大いに楽しめます。
すでに社会現象にもなっているほどの面白さ。内容は詳説しません。
お勧めしたいのは、PCを利用している方々。
とにかく細かいギャグが詰まっているので、紙媒体(特に単行本)では見づらい時も。
それがPC版なら、アーニャの微妙な表情も、見逃しがちなツッコミも、かなりの大きさで楽しめます。
単行本を揃えた上で、こちらでも課金している人間の素直な感想です。
設定が現実離れしている、との意見は当然で。
この物語は「異世界の極悪高校に現れた無敵ヒーローが大暴れ」と割り切るのが吉。
相手もスライム級に始まって、どんどん強化。果たして竜王を倒すのはいつの日か、そんな話です。
殴る蹴るのバイオレンスが苦手な方にはお勧めできませんが、そうでなければ、
「ジョン・ウー監督が高校生の映画を撮った」ようなハチャメチャ感を満喫できます。
扉絵の異様な暗さに尻込みしてはいけません。中身はもっとポップな絵柄です。
出てくるキャラが(主人公の旦那ですら)曲者に次ぐ曲者、クセのカタマリ人間だらけ。
さらに展開が「これでもか」と、ヒキに次ぐヒキ。これは堪りません、止まりません。
ちなみに『ワタシってサバサバしてるから』原作者とらふぐ氏の作品です。
大沢在昌氏の小説は何作も読んでいて、この作品もハードボイルド作家らしい序盤に引き込まれたのですが。
途中で「ぎょえっ」と声を出して驚く展開に、そうか、やっぱりミステリ作家でもあるのだなと感服。
そして血沸き肉躍るクライマックス、すべてが収斂する快感。
全部読んでも「ちょうどいい長さ」で、強力にオススメです。
スピンオフであると同時に前日譚で、はたまたザッピングでもあるような、要するに本編ファンには堪らない作品な訳ですね。
逆に言えば、本編がハマらなかった人は、こちらも厳しいでしょう。
ただ、本編未読ながら興味を持った人がこちらを先に読むのは、それはそれで楽しいルートかも。
徹頭徹尾、尋常ならざる重さと暗さで支配されている。
目を背けたくなるのに目が離せないのは、展開が決して一本道の繰り返しではないからだろう。
このキツイ内容を読み続けられるのは、絵柄が読み手の代わりに「泣いてくれている」からだろう。
もちろん、その涙は赤い。
かつての愛読者が懐かしく読み始めるケースがほとんどのはず。
そして、自分もそうなのですが、連載途中で「もういいかな」とリタイア/卒業してしまった人も多いはず。
今回は気楽に、アクセルもブレーキも踏まず、心に余裕を持ってダウンヒルしてみようと思います。
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