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大切にしながら読みたいと思い、ゆっくりと時間を掛けて読みました。最初はそうでもなかったけれど、馥郁としたお酒の香りがするように仕上がった作品だなと思いました。
暗示的なカラスに誘われてススキノのバーの雇われマスターになった主人公が、やさぐれた生活を立て直していく。バーの持ち主のマスターが亡くなり、忘れ形見のバーでその娘と共にお店を再建させていく。絶妙な人と人との距離感がバーという客商売を成り立たせているのですね。知らない世界を覗き見できました。
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52461位 ?
大切にしながら読みたいと思い、ゆっくりと時間を掛けて読みました。最初はそうでもなかったけれど、馥郁としたお酒の香りがするように仕上がった作品だなと思いました。
暗示的なカラスに誘われてススキノのバーの雇われマスターになった主人公が、やさぐれた生活を立て直していく。バーの持ち主のマスターが亡くなり、忘れ形見のバーでその娘と共にお店を再建させていく。絶妙な人と人との距離感がバーという客商売を成り立たせているのですね。知らない世界を覗き見できました。
時は大正(?)横浜を舞台に、身寄りのないちろりがおっとりしたマダムの珈琲館で働いている物語。ゆっくりと流れる時間に身を置き、少しずつ課金しながら読んでいます。こんな緩やかに時間が過ぎていく時代があったんだなと思わせる。今のようにがっちりと固めて着る着物とは違い、肩肘張らず着たいように普段着として着ていた着物を、とても上手く表現していると思いました。
30歳を前にして結婚という漠然としたイメージに憧れ、同棲していた売れない役者の護と別れてお見合いを始める美由紀。生い立ちのせいで愛を信じられずそれでも愛を求めている美由紀の前に、相談役のような人が現れて…ひょっとしてこの人と結ばれるのか?とドキドキしながら読みました。
おばさん二人の話に残したもう一つの嘘が、何だったのかよく分からなかったのだけど、読み返して、あ、この事かとやっと気付いた。
ハッピーエンドで終わって良かった〜。
お母さんが離婚しなければ良かったのにな。
そしたら物語にならないか…。
少女マンガを描いている公務員の中川信が、見た目は人形のように美しいけど、気性は傲慢で破天荒な高月くれはに振り回され、引き摺られながら漫画家になっていく物語。
高月家を巡る浮かばれないやるせなさを絡ませて、人と人との繋がりも考えさせられる。
「亀の鳴く声」という一見地味なタイトルもひねりがあって、最後の最後に納得。
面白かったです!
無骨な剣道部の主将で、大きくなりつつある電気屋の逞しい跡取りと思われている双子の長男静雅は、周りに連むことなくマイペースな狩川さんの洋服のセンスが気になってしょうがない。
狩川さんも静雅の時々見せるフェミニンな振る舞いから静雅の本質に気付いていく。一方チャラチャラして喧嘩ばかりしている弟の涼雅は仲良くなっていく静雅と狩川さんが気になって…3人とその友達が織りなす多様な人間模様が特異で魅力的。
狩川さんのキャラがとても素敵。一般的なマンガの主人公のかわいい系や美人でないところが際立ち、賛否両論だと思うけれど、私は好きだなー。
東京からおばあちゃんの元でひとり暮らすことになった女の子香菜と友達の晶が繰り広げる怒涛のような成長記。
小さな島を舞台に豊かな自然と、人情と閉鎖性をもつ人々を巻き込んで、多感な少女期から大人になっていく。
お父さんのような町長さんに恋をしてしまう香菜、ロシア系の血を引く人気マンガ家と町長さんの関係に気付いてしまう漫マンガ家志望の晶。
愛と言う単純な人の心が人間関係の複雑さを生んで、受け入れ難い大人の事情を子供の純真でひたむきな行動力で繋げていく。
香菜のあくまで前向きな行動力と、晶の子供とは思えない思索的なところが魅力的。
少女だけが読むのはもったいないぐらいの濃い内容に少女マンガ恐るべしと思いました!
西先生のストーリーは登場人物がどこにでもいそうでいない個性を持ち読み、とてもユニークです。
始めたらダメダメなたーたんとパキパキと素直でいい子に育った養女の鈴が可愛くて、それから今までに絶対に無いストーリーに魅せられました。
たーたんが自分の子供では無いとずっと言えずにいる鈴の前にどうやら父らしき人が登場してきたので、これからの展開が楽しみです。鈴は本当の父親を選ぶのかな。
たーたんは若い頃から抱いている理想的な恋愛をして結婚できるのかな。
なに不自由なくお嬢様で育ちの主人公好ちゃん。お父さんを亡くし、恋人に逃げられ、仕事も失くす。一人では生きていけないお母さんが初恋の人と巡り逢い早々に再婚。思い出のたくさん詰まった大きな家を手放し、一人で生活して自立していく物語。好ちゃんのぽやぽやした性格にイラッとする事もあるけど、丁寧な仕事をして、いい友達がいて、周りの人に可愛がられながら自分の大好きを探していく姿に好感を持ちました。
出てくる人たちの顔(特に男)が似すぎて分かりづらかったかな。
派遣社員にしかなれず、普通のOLになって働くのが夢の野田蔵なほ。すぐに人を信用して自分の事より人の為に何ができるのかを第一に考えているなほの一本気な性格に気付いたデザイン事務所の社長向坂はアルバイトで雇ったなほを正社員に昇格する。
なほと向坂の出会いが向坂が彼女との喧嘩を目の当たりにしたこともあり、悪戯をしてからかう向坂をなほは嫌うが、社長として社員を大切にする姿に徐々に惹かれていく。向坂も泣き虫で弱々しいなほをのらくら、あほと揶揄いながらも経理雑用仕事をきちんとこなす一途な姿に惹かれていくが、過去に背負った業を忘れられずなほの気持ちを受け入れたり手放したりして焦ったい。
なほの元上司や一緒に就職活動をしていた男たちの行動は信じられないほど情け無く、その人たちにされた仕打ちを恨むでもなく常に前向きななほの姿、向坂を支えようとする姿に女の強さを感じる。なほが向坂からどうせもう逃げられないのではなく、一本気ななほの愛情からもう逃げられないのは向坂なのかもしれない。
高校生で両親を亡くした主人公の菫子が出会った高校生の皓と大恋愛をして一緒になり若くして身籠るが菫子を残して皓が事故で亡くなってしまう。資産家の息子だった皓の親には認められず、一粒種の望(のんのん)を産み女手ひとつで育てていく。そんな菫子(スーちゃん)は事あるごとに周りの人に助けられながら、愛情をたっぷり注ぎながらのんのんを育てていく。スーちゃんやのんのんにまつわる登場人物たちをそれぞれに抱えた事情を善悪併せ持つ人の感情とともに丁寧に描きながら、人としてどう生きてきたのか、どういきていけばいいのかをまじめに考え、より良く生きようとする姿がとても健気で愛おしい。
ゆっくりゆっくり読んでいたのだけれど、皓の家庭教師で皓の父の秘書としてスーちゃん家族に関わっていた豊上さんがイギリスに赴任したあたりからじれったくなって一気読みしてしまいました。
成長したのんのんの物語も読みたくなりました。
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おやすみカラスまた来てね。