5.0
あふれる才能にめざめよう
天才的な頭脳を持つ17歳の主人公夏木勝幸はどちらかというと冷酷なほどに理知的。父を早くに亡くし、未亡人となった母の仕事を助けたり、株で資産を運用したり、高校生とは思えぬ経済学を母の友人の矢野から学び、再婚するならこの人と願っていたが、母は世界中を旅し能天気なほど陽気な自称小説家と再婚してしまう。その子供で同級生の男子の春も自然児そのもので、今までと全く価値観の違う二人に、振り回される勝幸。アメリカ留学を本格的に計画していた矢先、派閥争いに負けた母が会社を退職し、状況が一変したあたりから、勝幸の身の回りが急展開し、次を早く読みたい!とぐんぐんと引き込まれて行きました。
二ノ宮先生の主人公はそんなにハンサムでも彼女がキラキラ女子でも無いのに、味があって、こんな子がいるだろうなと思えます。
苦境にあって大変なのに笑いがあり、とことん残酷で、でも救いがある。
とても面白い作品でした。
- 8
天才ファミリー・カンパニー