4.0
ホタルは死と隣合わせの紗都子か後藤か
16話まで一気読み。もっと評価されていい。原作者がいるのかと思ったけど、作者オリジナルとは。
貴族の娘・紗都子がかどわかしに遭い、逃げ延びるために見張り役の殺し屋・後藤に結婚を申し入れるところから二人の逃避行が始まる。
いつ死ぬとも分からない紗都子の生い立ちから来る肝の座り方や生に対する執着も納得の設定で、
後藤の狂気ゆえの愛の暴走や、
狂気をはらんだ殺し屋の、紗都子へ向けた優しさや、ときおり見せる正気が却って不気味さを増幅させ、この後藤はいったいどんな生い立ちだったのかと読者の好奇心を駆り立てます。
刺客を誰が差し向けたか分からないし、
拐われた際、紗都子の護衛だった康太郎がこれからどう出るかも気になるところ。
いずれは語られるであろう後藤の過去話にも期待したい。
星マイナス1は、紗都子が心臓病で余命いくばくもないと言われた割に、危機一髪の状況でも発作が起こらないあたりや、
血みどろの現場を見せられた殺し屋相手に、深窓のお嬢様である紗都子が心を緩めるのが早すぎるので。
それでも色島からどう逃げ出すのか見届けたいと、
♡登録済みです。
絵は動きの煩わしい描線があるものの、ここぞという時、美しい風景も表現できるので殺陣との対比が際立つ。
あと、悪党どもの描きが上手い。女性作家で珍しいと思います。
- 13