3.0
主人公にもやる
音大出で資産家の美人なお嬢さん(病弱で甘ったれで男に頼らないと生きていけない)が、年の離れた売れっ子小説家の夫と早々に死別し、遺産相続等を通して夫の親族と関わる中で自立していく話。
正直言って、主人公には感情移入できないし、最終的に自立したといってもめちゃくちゃ周りに助けられてるのにそれに気づいてんのか!?という苛立ちがあり、あー読んでよかった〜!という感想にはならなかった。
1巻完結で短いので、この漫画の主題をぎゅっと詰め込んで出来上がった作品としては、良いのかもしれない。主人公もある意味人間臭いというか、リアルでこういう人いるだろな、と思ったりもする。
しかし、なんだかもやる。
夫は客観的にみたらクズだけど、【大成した年配の小説家】で、夫の弟は【おそらく成功した実業家もしくはもともと金持ちの家系】、夫の元妻は【売れっ子作家】という浮世離れした設定だし、夫の子供達との関係なんかも、フィクションとしてはアリなのかなと思う。
しかし、もやる。
面白くなくはなかったけど、なんかイマイチ好きになれないのは、結局、主人公が『若くて美人で資産家の子で、周囲にもめちゃ恵まれてる』ことが羨ましいのかも。
なんだか違う世界線の話のような。
まぁでも、どんな世界線に生きていようが、皆それぞれ悩みや苦労があって、その中で精一杯生きてるだけなので、羨ましがっても仕方ない。
漫画も小説も映画も、触れたその時の気持ちや環境に感想は左右されるものなので、次に読んだとき自分自身がもっと成長して、違う感想をもてるといいなと思う。
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