5.0
人生をまた一から
この作品は漫画といえるのかというご意見もある様ですね。
確かに一見、絵より文章で綴るエッセイの要素が多いのでそのご意見もわかります。
ただ断片的で部分的な絵が意識の混濁、記憶障害などを表現するのには、とてもマッチしていてリアルさを感じるので良かったと思います。
幻視や幻触の恐怖がわかりやすく、心情も細かく描かれるより、返って分かりやすく正解だった気がします。
この作者さんは、理路整然とした思考が出来ない程のダメージが残り、子供の様な感覚にまでなってしまった事が、逆に良かったのかもしれませんね。
闘病もリハビリも壮絶なものだったでしょうし、はっきりした意識では、さらに辛かっただろうと想像出来ます。
新たなスタートを純粋に受け入れられていた事こそが、順調に回復出来た大きな要素ではないでしょうか。
作者さんの以前の生活や不摂生の描写を求めるレビューもありましたが、私的には心肺停止、蘇生、意識不明からの少しずつの生還の描写を十分貴重に感じたし、稀有な体験談を共有させて頂けただけで、大変興味深く読ませてもらいました。
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