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みとりし
「みとりし(看取り士)」という映画がありましたが、映画と同じく、いろんな人の人生の最期を、プロの目で観察して描かれたよい漫画です。主人公が、亡くなっていく人に対していかなる評価も下さないのが気に入ってます。
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50272位 ?
「みとりし(看取り士)」という映画がありましたが、映画と同じく、いろんな人の人生の最期を、プロの目で観察して描かれたよい漫画です。主人公が、亡くなっていく人に対していかなる評価も下さないのが気に入ってます。
これといった事件や大きな感情の起伏もなく、登場人物の心理が淡々と描かれて進んでいく。徐々に、でもしっかり引き込まれていく。村上春樹の小説のような雰囲気の漫画。
こんな探偵みたいな人事部の社員が本当にいてくれたら、事実をちゃんと公平に調査してもらえて、社内の誰もが人間関係に不満を持つことなく、能力を仕事に集中して注ぐことができる。人間関係が原因で会社を辞める若者がいなくなる。いいことづくめなのに、実際には何でいないんだろう?
シチューのもとが無いとシチューも作れない。
コップがないと水も飲めない。自分で作らないとお箸もスプーンもない。じゃあナイフはどうする?お鍋がないと調理もできない。ライターがあっても焚き付けが無いと火も起こせない。種がないと野菜も穀物も植えることすらできない。
そう思うと、私はコップもお箸もお鍋もナイフもライターも、自分で作った物なんて何もない。衣食住の全てが誰かの労働の結果で成り立っているのだと分かる。すべての人の労働に感謝する。
日々役に立ってくれているコップにもお鍋にもお箸にも、すべてに感謝。無いと困るんだ。
そして衣食住の原材料も、種子も、太陽も空気も、生きることに必要な全ては天から無料で与えてもらっているのだと気づく。
文明を一から作りあげるという壮大な作業をコツコツと毎日続けてきてくれた先人にも感謝。
すべてに感謝。
そしてすべては繋がっている。
ということが分かる壮大なスケールの作品です。
何が起こっても主人公はいつも感情的にならず、理性を持って、広い視野でものごとを考える。思い込みや固定観念、世間一般の「当たり前」に惑わされることなく、自分の頭で考える。この世がどう成り立って、どう動いているか、一段高いところから常に観察して、いつも謙虚に考えている。まるで真理を探求している僧侶のようでもあるけど、決して修行しているわけではなく、無理なくナチュラルに、バランス感覚よく、いつも機嫌よく生きている。
素晴らしい人物像だと思う。作者の方がそこに到達していないと描けない作品だと思う。
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お別れホスピタル