5.0
10年かけて育まれた一途な恋
読み始めて透が渚一筋なのが微笑ましいし、5歳年下なのに渚を護りたい気持ちを強く持っているしっかりした子だな、と思いました。小学校生ながら渚愛をしっかり言葉で本人に伝える透。長年弟のように接してきたため透への恋愛感情に気づくのは渚の方が後からになりました。
中学生になり部活で弓道をやるようになって透の成長した姿に恋愛対象として意識し出します。転んだ渚を庇って怪我を負いながらも大会で優勝する意思の強さも。
年上の渚に近付きたい一心で頼もしい男子に成長していく透。
不在がちな自分達に代わって幼少期の頃から長年透の世話を渚にさせていた透の両親。好きだと昔から言っていたのは自分の息子の方なのに、渚に酷いことを言って2人を引き離す透のお母さんはどうかと思いました。
素直で透の事を大事に思う渚は自分が透の足かせになってしまうのでは、との思いから自ら離れます。すぐ傍にいるのに声をかけられず涙を流しながら透を見つめる渚、好きな人と弟を突然失ったようですごく切ないです。
そして時が流れて再会。誤解したままの透は渚に冷たい態度を取り、渚は透への気持ちを抑えて距離を取ります。同世代の女子と一緒にいる透を遠くから見つめる渚は本当に健気です。渚が高校の時から事情を知っている山本くん、何度も告白してくれますが想いは渚に届かず。でも長年傍で見守ってくれる良い人です。
透も渚も山本くんも一途で好感が持てます。最後は誤解が解けて透のお母さんも2人の事を認めます。10年恋、ラスト2人が幸せになって本当に良かったです。まだ若い2人のその後や山本くんの事も番外編で読んでみたいです。
生きにくい世の中、ピュアな純愛を読んで心が温まりたい方にお勧めです。
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ボクとわたしの10年恋