bushclover1405さんの投稿一覧

投稿
30
いいね獲得
77
評価5 3% 1
評価4 33% 10
評価3 23% 7
評価2 30% 9
評価1 10% 3
21 - 26件目/全26件
  1. 評価:2.000 2.0

    ネタバレ レビューを表示する

    完結まで全部読みました。
    作品の全体を通したテーマである「男性恐怖症」。
    揺るぎないたった1つの軸であるはずのこの設定が頻繁にブレるような気がします。
    このテーマに対するリサーチ不足のような気もしますし、ストーリー自体がこの男性恐怖症という味付けに頼りすぎているような気もします。
    過去に縛られ、過去を思い出すと卒倒したり食事も摂れなくなったりする主人公が男性の前で意見を堂々と主張したり、突然抱きついたりするようなシーンがありますが、それほどの病的な症状さえ持つ人が状況によりそこまで回復したりするものでしょうか。
    トノさんが男性恐怖症を忘れさせるほどまでに特別であるなら、顔が好きであること以上に、主人公が精神的に回復していく様子をもっと丁寧に描くべきです。
    トノさんはトノさんで、主人公が男性恐怖症と聞くやいなや「俺にはお前じゃなきゃダメだ」と唐突な心境の変化がありますが、それはなぜですか?
    主人公がかわいそうになったから?
    そのあたりも丁寧に描かれていないので、うまく2人に感情移入していくことができませんでした。
    ブレがなければピュアなラブストーリーとして読めるのかもしれませんが、現状では「恋愛ストーリーが描きたいけどただの恋愛だと掴みが弱い」というところから間に合わせで「男性恐怖症」という要素を付けたのではないかと邪推してしまい、作家さんの作品に対するエネルギーを感じられませんでした。

    • 27
  2. 評価:4.000 4.0

    ネタバレ レビューを表示する

    完結まで全部読みました。主題は家族を扱っていますが、「親と子」「きょうだい」というよりは「人と人」の心の寄り添いかたを描いてあるような印象を受けました。それぞれに様々な日常生活を背景に持った一人一人の人間が集まった集団である「家族」が、律の作る料理を通して一つになる様子を見ていると、やはり家族にとって一番大切なことは毎日一緒にご飯を食べることなのかなと考えさせられました。

    同作家さんの「アリスとアマリリス」もすべて読みました。
    多感な青少年たちが、微妙な心の変化を積み重ねてしっかりと芯の通った人間に成長していく様子を描くことがとても上手な素敵な作家さんだと思います。

    個人的には妹の奏が、最初はわがままっ子だったのに素敵なお姉さんに成長していく様子がとても感慨深かったのと、マヤさんの人間としての成長に感動しました。あとはやっぱり、ルカが青年になっていく様子は親のような気持ちで見てしまいました。

    早川家を包む優しい空気感が感じられてとても心地よい作品でした。あと、律の友人2人がいい味出していてとても好きでした。

    • 11
  3. 評価:5.000 5.0

    ネタバレ レビューを表示する

    完結まで全部読みました。
    自分を引き上げてくれるほどの輝かしい才能を持った主人公が羨ましいです。

    絵もストーリー構成もとても凝っていて大好きな作家さんです。
    前作の「明治緋色奇譚」「明治メランコリア」も読みましたが、その頃に比べてとても進化していて、さらにファンになってしまいました。
    前作を読んでいたので、てっきりお相手は年上黒髪和服の天良と思って読んでいたのですが、良い意味で予想を裏切られ、さすがだと思ってしまいました。

    「帰る場所」を求めた天良と、女性として小夜子を愛した浅海。
    ヒロインの周辺にそれらしい男性が2人いる場合、だいたい「母(家や安心感や包容力)」を求める男か、「女性」としてヒロインを愛する男かで差が出る気がします。

    私は「この世界の片隅に」などの戦争色の強い作品も好んで読みますが、戦争で大変だった頃の国内情勢もよく研究して描かれていると思いました。
    当時の人々の生活や話し方、言葉遣いにもリアリティがあり、時代背景がしっかりと描写されていたので、ストーリーにすっと入っていくことができました。
    盛り上がっていく戦争路線、プロパガンダに戸惑う人々の暮らし、弾圧、若い人たちの悔しさも作品から感じ取ることができ、素晴らしい作品だと思いました。

    • 11
  4. 評価:4.000 4.0

    ネタバレ レビューを表示する

    現在配信されている分は全部読みましたし、ドラマも見ました。

    平匡さんのセリフ「最近のみくりさんの掃除のレベル低下が気になっています」に対し、みくりの「仕事として現金をもらえなくなるなら今まで通りの家事レベルは求めないでください」のやりとりは目からウロコでした。
    一度はハウスキーピングの仕事で現金をもらっていたのだから、そうなるのは当たり前だとは思いますが、奥さんが無償で一定以上の家事をして当たり前な世の中。
    本当に目からウロコでした。

    嫌な感じを出さずに主張できるみくりと、それを聞いてあげる優しい平匡さん。
    夫婦一緒に暮らしているとやってもらって当たり前になりがち、不平不満も言いがちですが、お互いに働いているのだし、持ちつ持たれつで本来は当たり前だし、一個人として主張をすることも認めまれるべきですよね。
    2人のお互いを思いやる気持ちに単純に感動しました。
    私の家は古い考え方の家なのでなかなかこんな風にはいきませんが、2人の夫婦観は究極の理想のように思います。
    ドラマでクローズアップされたこの作品の掴みの部分は「偽装結婚」ですが、印象に残ったのは2人が本当に入籍してからの後半部分で、新しい夫婦の形を見せてくれた作品でした。

    ベビーの登場により産休や子育ての問題も出てきそうな展開。
    ベビー楽しみです。

    • 0
  5. 評価:3.000 3.0

    ドラマを見ていて、後から原作があることを知り、この作品を読みました。
    恋愛以外の分野で登場人物が努力する作品は好きです。
    ただ、ドラマを見ていたからかも知れませんが、ドラマに比べ可愛さの足りない也映子と、意志薄弱な理人が漫画のほうがより際立ってしまい、案外、登場人物に魅力がないように感じてしまいました。
    反対に、婚約破棄や嫁姑問題の部分はドラマだとこちらも落ち込んでしまうくらい暗かったのですが、漫画だと若干雰囲気が明るくて、その点は良かったです。

    • 0
  6. 評価:4.000 4.0

    ネタバレ レビューを表示する

    完結まで全部読みました。
    一般的にはセンセーショナルな分野である超年の差の恋愛を、長い時間をかけて丁寧に描いてあり、作家さんの作品にかける愛情とこだわりを感じました。
    俯瞰で見れば「超年の差カップル」や「枯れ専」とカジュアルにカテゴライズされる彼らを、作家さんはより丁寧により自然に、導かれるように寄り添い合った2つの心のように描きたかったのではないかと思います。
    病気が判明し孤独と絶望に涙を流す榊先生を元子が抱きしめるシーンに、年齢を超越して寄り添い合った2つの心を見ることができたように思い、涙が止まりませんでした。
    ライトすぎず良いのですが、若干暗い雰囲気を持った作品であるとは思います。

    • 3

設定により、一部のジャンルや作品が非表示になっています