意外とこういう話、よくある気がする。
恋人の片方が、「生きてほしい」と言づけて死んでいくけど、
相手もまた「あなたのいない人生(幸せ)などあり得ない」と後を追う話。
また、恋心を貫いた結果、片方は死に、片方は生へと突き動かされていくシーンは、
夏目漱石の「こころ」を思わせる。
あの行為は、ニコと亜弓にとって、共通の愛する人を弔う葬儀だったように感じた。
そうすることでやっと悲しめて、そしてそれぞれの道へ、それぞれの死へと歩き出す。
ニコは「もう一人の卯月」と最後に愛を交わし、笑顔で人生に幕を下ろした。
亜弓は、卯月とニコにもらった言葉と愛を支えに生きていくだろう。
もうどんな心ない言葉も、彼女を傷つけることはない。
切ないが、決してバッドエンドではない。
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エロスの種子
049話
第十七話 ~ポラロイド Polaroid(3)