4.0
個人の復讐を越えて。
理不尽な想いをかかえる登場人物たちを代表して、主人公がザカリーという屑に復讐を果たそうとする、という話。
一年間だけの旦那、レナードと。
幼い頃から彼女を慕っていたウォルターとのラブロマンスも所々で入ってくる。
……けど、復讐が主体のせいか、レナードの幼い恋愛感情と崇拝に似たウォルターの愛情は、個人的に少し物足りない。
ウォルター、たぶん普通に良い男。
普通だから物足りないだけです、私には(笑)
そして、主人公は思慮深くいろんな方面に気を配れる領主(男爵家)の娘として素晴らしい矜持の持ち主。
復讐が主題ではありますが、いま巷にありふれたザマァ系の解りやすく馬鹿馬鹿しい復讐話とは一線を画しています。
心が洗われるストーリー展開は、美しい絵柄と共に、次へ次へと読み進められます。
ただ……ストーリー展開や主題は素晴らしいのですが、キャラクター面が弱い。
綺麗な人と醜い人、それぞれの置かれた状況においての人物描写は「正しい」のですが、魅力的とは言い難い。
あくまでも、私基準ではありますが、いままで自分がしてきたレビューにおいての基準として、その点から☆ひとつ減らしてあります。
- 2
復讐は離婚の後で