5.0
展開がうまい
少年漫画にはこのような内容の漫画はいくらでもあったようにも思う。
でも、鬼滅は非常に展開が早くて上手い。無駄がないというか、中だるみがなく終盤まで進む。変に人気が出て終わりが延びてしまうということはなく、むしろ少し早いのではと思うくらいに早くに終盤を迎える。
そして、キャラクターが皆個性豊かで、憎めない。ここが大きな特徴のように思う。
作中は残酷なほどたくさんの人が亡くなっていく。非常に暗い内容にもなり得ると思うが、主人公をはじめとしてキャラクターが明るいためコメディー感すら感じ、サクサク読むことができる。
作中、キャラクターが亡くなる時に振り返ってみると敵味方の概念は最終的に薄いものであったと気付かされる。元々は皆、人間だったからだ。色んな葛藤の中に生きていて、鬼になってしまった切なさを垣間見ることが出来る。そのため、皆いとおしいキャラクターに感じられる。
普通の鬼滅隊の兵士と柱との間の中間層がいない傾向にある為、柱の強さが際立つが、今思えばそこも話のテンポが良い理由の1つだったと思う。
柱でも敵わない、と思った時には絶望感すら感じるが、主人公の炭次郎の真っ直ぐさと明るさ、ただただ妹の為、鬼に向かっていく姿はなんとなく励まされるものがあった。
皆が幸せであって欲しいと願う、優しい漫画だと思う。
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鬼滅の刃