5.0
銀ニ貫というキーワードについて
タイトルであり、作中でも何度も出て来る「銀ニ貫」という言葉について、これほど上手な回収の仕方をするのだと、近年読んだ作品の中でもトップクラスに感動しました。
回収と言っても謎解きのようなものではありません。その時々、銀ニ貫の価値を考えさせられる読者、悩みながらもここぞで使徒を決める旦那さん、大金であろうその額により翻弄される番頭さん。
なのに作品の最後の一コマが、登場人物達のこれまでの苦労、紆余曲折を全て包み込み、こんな優しい絵と粋なセリフで終わるのかと。
簡単に、自然に涙がこぼれました。
松吉が旦那さん達に出会えた事、旦那さんが松吉達に出会えた事、読者なのに全ての人の出会いと人情にありがとうの気持ちでいっぱいになります。
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銀二貫