4.0
タイトルから受けるイメージと違った
以前、仕事に疲れたアラサーサラリーマンが、家出してきた女子高生を拾って、一緒に暮らす…という作品を読みました。
作品の説明としては「女子高生とのほのぼのな日常」みたいな感じだったのですが、個人的には「これ…が…ほのぼのなの?」て感想でした。
性的な何かがチラついてたし、そもそも犯罪じゃん…って始終モヤモヤしました。
この作品も、タイトルから想像するとそんな感じの男女逆転版なのか?性別が異なると、また違う感想持つのか?と、自分の思考に対する興味もあって読みはじめました。
が…そもそも一緒に暮らす理由が全然違った(^_^;)
インパクトのあるタイトルで、目を惹きたかったのかもしれないけど、全然「少年を飼う」話ではなかった。
ちゃんと、未成年と保護者の関係を築こうとした先に、別の感情がもやっと発生するって感じでした。
少年の凪沙くんは、よく言えば放任主義の父子家庭で育って、回りに壁を作り、自分の感情にも疎い子。
保護者代理となる藍も、幼い頃から感情を隠すように生きてきた完璧なバリキャリ。
そんな二人が出会って、過去の自分を少し後悔している藍は、凪沙くんに今しか味わえない十代の瞬間を楽しんで欲しいと思う。
そのために、保護者として力になろうとする一方、他人と暮らす楽しさにも気がついていく。
最終的には成人した凪沙くんと「お互いが特別な人」となるけど、藍はその感情が「男女の愛」なのかはまだ確信してなくて、これから二人で確かめて行こうね…って時点で終わる。
ってことで、繰り返しますが、全然「少年を飼う」話ではない。
そして、凪沙の高校生活や父親との関係も、わりとしっかり描写されてます。
ほのぼのとは言わないけど、ふんわり優しい気持ちになれるお話でした。
-
0
少年を飼う