5.0
悪夢から始まる至高の愛
よくある「やり直して幸せを掴む」ハッピーな転生モノとは一線を画す、ダークで重厚、そしてあまりにも美しい傑作ロマンスです。
主人公のイネスは、過去の凄惨な人生の記憶を抱え、「醒めない悪夢」の延長として今回の人生を生きています。彼女の目的は、愛されることではなく、結婚を破綻させて静かに生きること。だからこそ、婚約者であるカッセルがどれだけ奔放に浮名を流そうとも、冷徹なまでに無関心を貫きます。
しかし、その歪な関係性が、カッセルの「なぜ彼女は自分にこれほど冷淡なのか」という不審と執着を生み、物語は予想もしない方向へと狂い出します。イネスが時折見せる嘘の微笑みや、瞳の奥に隠された深い絶望の理由が徐々に明かされていく過程は、ミステリー小説を読んでいるかのような心地よい緊張感があります。
単なる甘い恋愛劇ではなく、お互いの存在が救いになっていく人間ドラマとしての完成度がズバ抜けて高いです。一度読み始めたら、その重厚な世界観の虜になること間違いなしの至高の作品です!
-
1









この結婚はどうせうまくいかない