紀之は、楓が全身全霊で壁に向かっていく必死な姿を見てしまった。
男とか女とかじゃなく、私はこれがやりたいと全身で訴えて来る姿に、胸が高鳴ってしまったのだろう。
オリンピックだって、知らない海外の選手にですら、その人の人生を賭けた全力を見せられたら感動する。
ましてや紀之は、楓が昔の弱かった自分を乗り越えて、好きな事を見つけて、今それだけを夢中になってやってることを知っている。
絶妙なタイミングでのクライミング大会。
-
3
ハコイリのムスメ
063話
BOX.19(4)