5.0
全力で応援したくなる瑠璃子の魅力
青山瑠璃子は生まれつき顔に痣があるが、持ち前の優しさと明るく振舞うことで、今の穏やかな日常ををどうにか作り上げてきた美形の女子高生である。担任の神田先生は、人の顔を判別できないレアな形質の持ち主。二人ともそれが故のフリースクール出身であり、お互いに境遇を分かり合える存在であることを認識し、やがてそこに特別な感情が生まれるのも自然なことだった。副担任の白川先生は神田先生に好意を抱くが、二人の特別な絆を目の当たりにし、これを認めざるを得ない。この三人の関係性が繊細に描かれる。女性にとっては特に深刻な太田母斑、外見からは分からない相貌失認という特殊な運命を背負った二人の様な人達に接する機会があったとしたら、彼らの信頼を得るためには、如何に接するべきなのか、真剣に考えさせられた・・内面的魅力への言及は嫌味になるだろうか、やはり”それも君の個性だ”と肯定し、寄り添うのがいいだろうか、言葉を尽くせば伝わるだろうか等々。なおキャラクターデザイン(特に瞳の造形)は秀逸。※レビュー投稿後、実際に太田母斑で辛い経験をされている方のレビューを拝読し、治療には時間と費用が大変なだけでなく、苦痛も多大であることを理解し、安易に”治すことだってできるのでは”などと考えてはいけないと自戒した。
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青に、ふれる。