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    手に入れるべきものは何か
        キーサ・バンスフェルト令嬢は十年来の婚約者、ダニエル・ローウェンズの噂を耳にし確かめに行く。そこで、ダニエルが未亡人ヘイズルに騎士の誓いをしている所を目撃。
間髪入れずキーサが問いただすと
「僕たちは単に魂で交流する友人、純粋な友情で結ばれている関係」
男女間の友情と言い張り、開き直るゲス男!
体ではなく精神的に繋がっている方がキーサにとってどんなに辛い事か。
ダニエルが「バアス主義について知ってるか?グリフィンが学術誌で発表した論文は?貿易摩擦の原因は?」
キーサが答えられないと、君とヘイズルとの違いなんだよ、君は従順で言うことをよく聞くから婚約者として適任だが伴侶としてはバカ過ぎると嘲笑し侮辱。
自分がした事を無意味な話で黙らせる最低男!
キーサは父に婚約解消を願い出るも、家門同士の取り決めだと取り合ってもらえず。キーサを罵倒する。
キーサには友人のメリッサ・ドスがいるが、これもなかなかのゲス女!
心配する振りをしてキーサから話しを聞き出そうと〈可愛い私の友だち〉という修飾語を必ずつけ、友だちなんだから何でも話して~、信じて~と言う噂話好き過ぎるゲス令嬢!
今回はキーサも見抜き、届いた手紙も無視するが家門同士代々の友人の間柄な為、メリッサのチクリで、また父から叱られる始末。
ゲス令嬢より自分の娘を信じてあげられないとは!
キーサはバアス主義について知る為、国立図書館へ行きセイオッドと知り合う。
泣いていたキーサの話しを聞き、意味の無いバアス主義の事やおすすめ本、真実の愛を表現した作品〈領主の城〉オペラも招待される。
ダニエルは交互に質問する事を提案し、キーサの婚約解消したい話と、ダニエルの死んだ兄の代わりの結婚話を断る理由、2人の利害関係が一致する契約結婚を持ちかけられる。
2人は契約ではなく、いつしか真実の愛する人同士になるのか?
ダニエルについても謎が多い。
当時双子の弟は亡き者となる運命だが、ダニエルは双子の兄の死で半生を過ごした修道院から家門を継ぐ為、都に強制的に連れてこられた。
〈誰が誰を手に入れるのか〉
これからが楽しみだ。
冒頭で〈その全ては愚かなまねであった〉とあるが? 結末が楽しみだ。      
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あなたが私を手に入れたいのなら