目標としていた存在が、手に入れた騎士の最高位を何の未練もなく手放したのを見て、目標も手本も一度に失い、裏切られたような思いでいたのだろうな。
だが、周囲の口さがない言いざまを、何故真に受けた?
彼女が最高位の騎士位を受けられたのは、功績、つまりは誰にも成し遂げられなかった討伐を彼女こそが成せたという事実があってこそ。これこそ、職務を全うすべく闘い続けた誇り高き騎士のなせる業なのでは?
この偉業を目にしてなお、出来もしない同僚が、無責任と放言するままに任せ、あまつさえ同調したのは自分自身では?何かに寄りかかっていなければ立つことも出来ない程度の志で、クラレンスを恨むとは、どこまでクラレンスに甘ったれれば気が済むので?
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実は彼らは彼女だけを覚えていました
061話
第61話