【旧華族 伊知地家御令嬢】【岩倉貿易御曹司 岩倉朔弥の婚約者】この様な肩書きがあっても清子さんは幸せではなかった。優秀なのに実家では学も付けてもらえず女中扱い、朔弥さんの目の手術、2人の息子の命の恩人にもかかわらず、姑弓子からは嫌がらせ。
たとえ妊娠騒動が狂言だとしても、函館にいては同じ様な事の繰り返しだっただろう。
それなら新天地【横浜】は清子さんにとって輝ける場になって欲しい。
男性の付属品としての清子ではなく、【KIYOKO】という独りの素晴らしい女性として。
この逸材の女性を。
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朧の花嫁~かりそめの婚約は、青く、甘く~
060話
清子の行方