人前で一緒にいられないなら、恋愛じゃない、って教室を出て行こうとした優希の手首を離してごめん、って言った大河。その手を握って、イチゴジャムリクエストした優希。かわいすぎるって、真っ赤になってドキドキする態度の。案の定、洋平が見てて、諦めてもらおう、って考えて、道すがら、甘いもの買ってやろう、ピンはいらないって言われるかな、なんて幸せな高校生の恋愛中の大河。家の前で黒塗りセダンが停まっている。中からおじさんが出て来て時間がない、と出発を静かに急かすおじさんの手が負傷しているのを見て、ふ頭に急がなくては行けない事を悟り、車に乗る。乗っている間、優希が待ってる、暗い夜道を一人で降りなきゃいけない、と心配してると車窓から見かけた戸田が見えた。駆け寄り、一人にしてごめん、と伝えてほしいと伝言を頼んだ。戸田が伝言を伝えるかわからないし、真っ当に生きる優希に、また、会おう、とは伝言できなかった。もっと贅沢すれば良かった、もっとおいしく作れば良かった、甘いもの食べさせたい、もっと早く好きだって伝えていれば、良かった、って大河、もう優希のためにやってあげたい事ばっかり。恋じゃなくて、思いやり100%の愛だよ。ほんと、どうして今日なのよ。せっかく、思いが通じて一歩踏み出せた記念の日だったのに。
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今は、黎明なだけ
030話
今は、黎明なだけ 第30話