イネスのこの物語でいう1度目の人生。
オスカルに虐げられていた人生。
カッセルはイネスの手の甲にすら口付け出来ないほど儚く感じていた時ですら、
オスカルはその場面を過去のカッセルへの嫉妬からあざ笑い…
神は何度見た光景かわからないが傍観していた…。
そう感じたカッセルは強い憎しみをオスカルに。
そして神に。
より自分に…。
さんざん人を殺してきた自分は何も知らずにイネスを想いながらも見ていただけ。
さんざん人を苦しめてきたオスカルですらのうのうと生きていた…。
兄や過去に愛した人たちの為に毎度自分自身にのみ痛みを向けたイネスが誰よりも悲惨な人生を繰り返していた…。
愛するイネスがそんな悲惨な人生を生きてきたのに、
今の自分は断片的でしか思い出せない挙句何の力にもなる術をもてない…。
そんなカッセルの悔しさと憎悪…。
この回もイネスへの深い愛とカッセルの虚しさが強く伝わる回でしたね…。
ますます、この物語の序盤を軽い気持ちで読んでいた事に後悔が残りますね。。
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この結婚はどうせうまくいかない
110話
第100話