5.0
思わぬ拾い物
思わぬ拾い物です。なんとなく、読み始めました。えっ。面白い。いいお話を見れた。そういう思いがします。
その面白さは、ぎゃははと笑う面白さではなく、じんわりと心に残る、なんともいえない味わいです。
絵はシンプルなイメージ的なラインで、写実的ではなく、昔の漫画風に見え、最初、古臭い感じもしましたが、内容に入ってゆくと、ぐいぐい引き付けられ、人魚のクールな表情も魅力的に思えます。
身体能力や、心の在り方が、「人間」の方が退化してしまっているというのは、なるほど、人間種の一員としては反省させられます。
2話目、娘ラミがエドガーに言う言葉が印象的。「お前が幸せだと、私も気分がいい」
ルドガーの無実が晴れるとエドガーは婚約者のもとに帰ってしまうのに…
自分のものにはならない…フラれてしまうのに、エドガーを助けるラミの心が素朴で美しい。・・・人魚姫って感じ。
エゴまみれ、自分中心、相手を束縛する我儘な愛が横行している現代で・・・・。
相手が思い通りにならないと怒ったり、殴ったり、刺したりする事件がよくあるこの現代で・・・。
自分の損得を顧みず、相手の幸せを願う・・・なんともピュアで美しい心 に出会うと、はっとする。
現代人が忘れてしまって退化しているものを浮き彫りにさせてくれる。
心の在り方を問われているようなお話。
こういうお話は余韻が残り、いろいろ考えさせられます。
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海の砂漠