4.0
セシルとオズワルドの夫婦漫才のような掛け合いが楽しいのがミソ。落ちこぼれとは言えどもセシルがちゃんとオズワルドを救えるのも確か。
なろうで原作読んできましたけど、
まあサクサクと話が読める作品。
オズワルドはなんだかんだ言いながらも丁々発止で会話ができるセシルのことを憎からず思っているのは伝わっていくし、セシルが持つ技も徐々にわかっていく。しかし、それを使うためには自分の純潔を失わなくてはならず、それが最終手段であることも師匠も分かった上で送り出している。
そしてだんだんわかっていく黒幕と、オズワルドが狙われた意図。オズワルドが最終的にはその秘技を自分の知らないうちにセシルによって行われるのにそれをオズワルドは覚えていることもできない。
そこに切なさが混じって来るのですが、仲間や師匠を含めた皆がオズワルドやセシルのことが好きで、何とか助けようと立ち向かっていく。
それなのにまたオズワルドに魔の手が。次にセシルが技を使ってしまえば、セシルの身体が全回復していないためきっともたない。それでもセシルがオズワルドのために出来ることはたったひとつだけ。
さて…!と言う話。
オズワルドにしてみたらね、勝手に何してくれとんねん!って話なんだろうけど。助けてしまうよね。それでいてオズワルドはその行為自体の記憶が残されていない。なのに微かに覚えている。
セシルはセシルでこの行為が行われている時点で、薬によってオズワルドの理性はとうになくなっているはずなのに、それでも思いやる優しさは伝わって来るのが切なくて苦しい。この世界では純潔を失うことはとてつもなく大きい。それでもオズワルドを救うためにもはやこれしか残されていない。
いつもの丁々発止のやりとりを知っているこちら側からすると、オズワルドの気持ちにもセシルの気持ちにも寄り添うことができる作品。
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落ちこぼれ白魔導士セシルは対象外のはずでした