5.0
文庫本長編小説として読みたい
主人公が賢く高潔なお話はやっぱりいいです。じっくり読ませる作家さん。読み捨てにしていいような作品じゃない。短く切った一話一話に必ず盛り上がりポイントがあるわけではないので、より単純な話より人気が出にくいのじゃないかしら? きちんと物語世界が構築されているし、人物の気持ちの変化も描かれている。原作者が能力高い人だと思われるので、名前が残っていってほしいです。
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主人公が賢く高潔なお話はやっぱりいいです。じっくり読ませる作家さん。読み捨てにしていいような作品じゃない。短く切った一話一話に必ず盛り上がりポイントがあるわけではないので、より単純な話より人気が出にくいのじゃないかしら? きちんと物語世界が構築されているし、人物の気持ちの変化も描かれている。原作者が能力高い人だと思われるので、名前が残っていってほしいです。
絵が丁寧で品があってほっこりと可愛らしい、こういう絵を描く人の人柄そのものの誠実な物語。白泉社さんらしさでもあるなー。原作と作画が分かれている傑作も古来あるけれど、一人の作家さんがストーリーと絵の両方を受け持ったときの味わいというのが、この半世紀少女マンガを芸術の域に高めてきたということもある。こういう作品も大切にされてほしい。
ファンタジーだから、作者さんがこの世界のマナーを創作してもいいのだけど。女性の帽子は室内でとらない、かぶったままが正式なのをちゃんと描いてる。布の質を見分けられる主人公を描けるだけの教養がある、いい作者さんだ。
エクサ―が常に考えているのが、「主人からよくされたことでダオンが一般・現業職の人達から逆恨みされないか。彼女に優しくすればいいのじゃなく、この配慮が大切なんだ。だから、将来晴れてふたりが夫婦になったときには、ダオンが君主の妻として尊敬される存在になるだろう。
不幸な目にしか遭ってこなかったダオン(一番恵まれてたときで〈〉内を考えられない主人からの親切にあっていたとき)は、自分は人に優しくされ得る存在だということがわからない。そこで、エクサ―は、例えば暖かいお風呂に入っていいいということを教えるのにも、露悪的になって風炉に入るように命じる。ほほ笑んで喜ぶことができない女性は普通の人からみれば得体の知れない存在なのだけど、彼はじょじょに心を溶かしていこうとする。
ダオンは、望みをひとつかなえてやろうと言われると、公共政策をお願いする。親切にしてくれた人を幸せにするとあ、意地悪した人に復讐するとかという発想が無く、領民の死亡率罹患率を下げたい。全員が健康で文化的な生活をおくる方歩を提案する。無私すぎて天皇陛下レベル。頭のいい人が誰にも愛されないと、こうなることを原作者さんがわかっているのだろう。つまり、優れた作品なのだ。
このふたりって、そのスケールの大きさが同レベルだから、惹かれ合うしかない。人の上に立つ資質をまさにそなえているふたりなので、幸せになってほしい。
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