色は匂えどさんの投稿一覧

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31 - 40件目/全84件
  1. 評価:5.000 5.0

    お仕事マンガの名作

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    このページを開いている時点であなたはマンガがお好きなはず。マンガを描く側、いえ、作る側売る側の視点に興味ありませんか?ありますよね?この作品に書かれてますよ!

    一言で言えば、新人編集者がヒット作を産むまでの物語。ただし、裏主人公であろう新人マンガ家の、成長譚としての側面もある作品です。
    漫画家たちも編集者たちも、個性も過去もある人たちばかり。それぞれに多面的で、人間味とマンガへの愛を違う形で持っています。海賊版への対策、電子化など、今時の課題もきっちり追ってくれているのも嬉しいところ。

    一本のマンガにたくさんの関係者がいて、みんなスタンスが違うからこそ多様な表現が生まれる。当たり前のことを誠意ある眼差しで描き尽くした作品だと思います。作画を味と見るか癖と見るかはお好みでしょうね。
    読了後は気になるマンガに課金したくなる、困った一本です。ドラマで見た方もぜひ。

    • 1
  2. 評価:5.000 5.0

    SFとミステリーと冒険と青春と

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    作者らしさがギュッと詰まったコンパクトな冒険譚。話はもちろんのこと、登場人物の輪郭が際立つキャラ付けとデザイン、伏線の張り方使い方、ギャグのテンポに微量?のラブ、全てに隙がない作品です。

    5日間のキャンプに参加するため集まった、9人の子供たちが謎の球体に吸い込まれて宇宙の彼方に飛ばされ遭難。それぞれの知恵を集めてどうにか生還のルートを見つけますが、何者かの故意で宇宙空間に飛ばされたと知ります。

    9人の子供達が遭難した理由、球体の正体など、いくつもの謎がまた別の謎を呼ぶ展開。小説でも面白く読めたでしょうが、やや重かったでしょうね。
    画風と上手いことバランスが取れています。

    さすがは篠原先生と思うのが、読了後に各巻表紙を順に見返した時。何もかもが連載前から決まっていて、予定通りに連載を終えた事が見て取れます。
    大筋は決まっていても、雑誌都合に読者の声、売れ行きなどで、内容や終わり方まで左右されたあの作品この作品を思うとため息が出ます。
    マンガ好きほどベテランの凄みに唸る作品かもしれません。

    • 1
  3. 評価:5.000 5.0

    アラがなく絵に無理がない

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    pixivだろうがなろうだろうが、良作は出る時は出るという見本のような作品。本当にいいようのない作品もある中、読みやすい作品だと思います。

    雇用主のセクハラが元で、しかもその妻から逆恨みされて失業したヒロインと、寡黙な魔法使いのヒーローが出会います。何歳差なのかさえわからない二人が、少しずつ間合いを詰めていく。
    難ありの主人に仕えた経験値を発揮して、ヒーローの需要を、更には意図せず心を捕えるヒロインが、地味ながらも魅力的です。

    筆致はやや粗めながら、街並みや庭や家のデザインなど、背景までファンタジーならではの夢があります。作画担当様の、愛と気合いが読み取れました。屋内の描写も、イギリスの某絵本作家のお家を思い出します。
    ヒーローのデザインも変に「おじさま」を若作りせず、年齢なりの良さを表現してあるのが素晴らしい。伸びた背筋も清潔感あるルックスも、本人を知る程に説得力が増す好例です。
    ヒロインもメイドらしく、聡明な働き者の女性と一見してわかる、素敵なデザイン。
    ファンタジー好きにおすすめできる作品です。

    • 0
  4. 評価:5.000 5.0

    日本史好きにはたまらない

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    在原業平と菅原道真。名前を見ただけでもワクワクする平安時代の有名人らが、コンビを組んで事件を解決します。
    安心してください、史実の軛がしっかりかけられてて、素人の目に止まる齟齬はない作品です。

    浅学な身にも、史実に明るい人ほど面白く読める作品だと思います。当時の最先端の書籍に娯楽、トラブル対応に貴族たちの役職、それら情報が乗る絵の説得力。歴史物の魅力に溢れていて、どこから見ても楽しいです。
    監修者の小話がついているのも、作品世界をいい塩梅で補完してくれていて嬉しい。単行本を片手に資料を漁ってみたくなります。

    色事に疎い若者の道真と、京きってのモテ男でいい大人の業平。
    学者肌の菅原父子と、権謀術数に余念のない藤原一族。
    明確な対比の構図が随所にあります。死後怨霊として名を馳せる道真に「鬼などいない」と言わせるなど、ちょっとした演出がぐっときます。侍女まで巻き込む本好きあるあるが番外編にあったりも。

    中央の政治からやや引いた、客観性ある主人公たちの目線で、藤原良房らを描いているのも見どころの一つ。彼等がまさに天皇家の姻戚として力をつけていく過程を背景に、個性ある二人が躍動します。
    なお、青年漫画なので、性描写も死体も出てきます。抵抗ない大人の方、ぜひ無料分だけでもお試しください。

    • 0
  5. 評価:5.000 5.0

    大人も閲覧注意のガチホラー

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    ホラー・オカルトとダークファンタジーの違いって何でしょうね?私の中では
    ダークファンタジー/鬼滅の刃、東京喰種など
    ホラー/東京BABYLON、シャーマンキング、呪術廻戦など
    なんですが、「これ」と明確に言える境界がパッと出てこない。出てこないんですが、「ダークギャザリング」初回を最初に見た時の感想は
    「久々振り切ったホラーが来たな」でした。

    死後に霊魂の状態で攫われた母親を救うべく、母を探しながらひたすら強い霊を作って(あるいは捕らえて)使役する女子小学生、夜宵。
    日常的に霊を寄せてしまう大学生、螢多朗。
    オカルトマニアで螢多朗の幼馴染、且つ夜宵の従姉妹の詠子。
    以上3人を中心に物語が展開されます。
    設定からして全員が全員、地頭が良くて自分なりのに特技がある(そして程度の差はあれまともじゃない)、理想的なチーム。イライラすることもなく話が進みます。
    とにかくバトルが怖くて迫力満点。夜宵ちゃんが使役する霊の登場演出も、作者のこだわりと愛着を感じます(各霊でページ数が全然違うのが、お気に入りがわかりやすくて面白いです)
    メジャーな?心霊スポットがたくさん出てくるのも、お好きな読者には楽しいでしょう。

    多少引っかかるのが、夜宵ちゃんが霊の強弱を直感のみで見極めてるらしいこと。戦術面の肝なので、ドラゴン◯ールで言うス◯ウターがないのによく生きてたね!?とは思います。
    無論、それ自体どこかで痛い目見る伏線かも?と感じられるシナリオがいい。話に妙な雑音がないのです。

    アニメ化したのに、「ここだけは!」と狙ってた話以外見れませんでした。
    応援したい気持ちはあるんです。本当に怖いんですってば…

    • 0
  6. 評価:5.000 5.0

    悪魔×JKのラブコメin魔界

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    悪魔が登場するマンガって、
    ・設定上そもそも人間界にいっぱいいる(青エク、ときめきトゥナイトなど)
    ・悪魔が不慮の事故、召喚などで来てしまう(アザゼルさんなど)
    のパターンが9割方のように思います。
    ポチクロは地獄に人間が来てしまい、しかも話が通じないレアパターン。人間と魔法の関係についての独自設定も上手いこと効いてて面白いです。
    生き生きした人物描写もバトルもラブもと、全方位見せ場がある良作。
    こういうマンガ、もうちょっと増えて欲しいです。

    • 0
  7. 評価:5.000 5.0

    型破りな男たちの冒険譚

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    サイバー世界の話です。
    ブラッディマンデイ、電撃デイジーなど読んだ方には比較的入りやすいと思いますが、キャラクターのエッジが効いているのは好みが分かれるでしょうね。
    初読が結構前なので、いろんな話を見聞きした今見返すと、是枝くんが不憫でなりません。ちゃんと診断受けて、相応の環境を小学生のうちに得られたらかなり生きやすかったのではと思います。
    (まぁ、それだとお話にならないんですが。。)
    ライバルたちがかなりイカれてて、中盤以降かなりハラハラしました。
    中小企業のセキュリティ周り、ダークウェブなど、ニュースにはなるけどよく知らない、専門的な世界を覗けるのが楽しい作品です。

    • 0
  8. 評価:5.000 5.0

    藤本タツキの出世作

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    チェーンソーマン、ルックバックで知られる藤本タツキ先生の初連載…です、私が知る限り。事実なら作品世界より恐ろしい。

    人類滅亡間際の世界で、気持ちが折れない限り無限に再生する力(不老不死とほぼ同義)を持って生まれた少年、アグニの物語。妹の復讐の為、炎に焼かれたまま生きる主人公が悲壮です。周囲の人間関係も作品世界に相応しくシビアで、作者の人間を描写する力がこれでもかと伝わってくる。
    映画が好きな方が見ると楽しい遊びも随所にあり、ラストも作者なりのウィットが効いてます。
    大人が読み返しできる秀作です。

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  9. 評価:5.000 5.0

    最大限リアル寄りの鉄◯アトム

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    人類を守るため、エイリアンと戦うヒューマノイドの物語。一話目の時間軸が2045年とあるのを見て「おっ、シンギュラリティ?」とか思った方には全力でおすすめなんですが…そういう人にはこちらにはないっぽい科学口座も読んでいただきたいなぁ。
    (わかりますわかってます、21話も本筋に関係ない話が混ざったら邪魔ですよね。。)

    とあるAIの片隅に生まれたプログラムがとある天才との対話を通して成長し、人型の筐体を得てエイリアンと戦います。バトルの仕方といい合間の会話といい、一般的な少年マンガの熱っぽさとは掛け離れてクール。全くもって万人向けではなく、そのくせ難しい。編集さんの苦労が偲ばれます。

    オチは一癖あり、エンドは一応ハピエンだと思います。SFなら朝まで語れるという方、ぜひ読んでみてください。

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  10. 評価:5.000 5.0

    3巻までの感想です。

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    もし自分に望まない適性があったら?という命題はたまに見かけます。が、この作品ほど掘り下げた漫画もないでしょう。
    友達が欲しくて体育系のクラブに入る度、高すぎる能力で人間関係を壊してしまう主人公。本人は周りを気遣いできる優しい性分で、しかもスポーツの楽しさを知らないまま、どんどん深みというか高みに導かれる様が残酷。周りの大人が彼の才能に魅せられ、本人の意向を上手に染め変える醜悪さがしっかり描写されてます。

    主人公が「好き」を燃料にまっすぐに目標へひた走る、王道展開がお好きな方には相性が悪いでしょうね。あと、絵がやや荒いかな。
    スポ根に引いてしまう性分で、グラゼニやおお振りが好きな私はこの作品、かなり楽しめました。

    主人公が小学5年の既読3巻までの時点では、親は冷静なのが救いですが…名門高の学費補助などの話が出てきたらと思うと読み進めるのが怖いです。
    プロ入りなどの話がでないうちに、さっさと怪我して脱落した方が本人の為では、と思うのは私だけでしょうか。

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