婚約時代にカッセルから届いた手紙の束、読んでみると、自分は元気、イネスの健康を願ってる。繰り返される極簡単な文言だけど、今なら、大怪我してたのを誤魔化した事とかが判る。イネスの穏やかな顔。でも結婚したのに手紙をくれないカッセルをメンドーサで1番、酷い夫に仕立てあげる為に、会いたいと書いて送ったら、寂しがりの言い訳が出来る。
帰ろうとしたら、ルシアーノが出て来た。父も急いで帰って来るからと言われ、夕食を両親交えて摂りたくないイネス。
2回目の人生でエミリアーノを弑したルシアーノ、そのせいで兄に会うと癇を起こすようになり、自ら選んだ黄泉路。今世でも兄と共に育って、6歳のイネスに差し出された9歳のルシアーノの小さな手が、前世の夫エミリアーノを旅立たせた手と同じとは思えなかった。だからつかず離れずでいた。1回目の人生でもルシアーノと一緒に育って、皇太子妃だったイネスの味方でいたルシアーノ。同じヴァレスティナだからと銃弾を渡して、その後いっそ戦争でもと泣きながら言われて自分を撃ったイネス。兄に生きて欲しかった事を思い出し、1回目の結婚前のように、過ごしたくて皇太子の結婚式後、カルステラに誘った。柔らかな笑み。
一方では、エミリアーノに会いに行こうとして騎乗しようとしたカッセルにイネスから手紙が到着〜。
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この結婚はどうせうまくいかない
084話
第082話